日経平均の予想: <20100103>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, January 02, 2010

<20100103>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利の中、経済指標の発表は概ね好材料と評価され、先週の株価指標は、年初来高値を更新しましたが、後半は利食い売りに押されました。一方、中長期的には、EU加盟国の財政問題や、米国を中心とする先進国の消費の低迷や雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、12月の米雇用統計が注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が0.4ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは35.8で、S&P500のPERの18.1と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は一服しました。今週も軟調な展開が予想されます。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.6%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.5%に拡大し、為替は91から92円台と円安ぎみに推移しました。金利差もそろそろピークアウトしても良い水準です。一旦は円高へ反転しそうなレベルですので、今週は、92から90円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+0.7%となり、米国は+0.9%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.2ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤12月3週の外人は買い越しでした。12月4,5週も買い越しだった可能性が高いものの、今週は売り越し転換が予想されます。
5つのポイントのうち先週は③⑤が強気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、8.3ポイント割安となり、先週比0.5ポイント割安幅が縮小しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+9.3%となり先週と比較して変化は有りません。総合乖離率は+19.5%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的にも"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の日本市場は、円安ぎみに推移したことで上昇傾向が持続されました。今週は、前年最終日の米国株が下落したことから、日経平均も、下落して始まりそうです。騰落レシオや25日移動平均乖離率が高水準ですので短期的な過熱感され、その後も、軟調な展開が予想されます。しかし、為替で円安ぎみの推移が続けば底堅い展開となりそうです。一方、米国市場では景気改善期待や期末のドル買い需要で金利の上昇が続いていましたが、年度が替わることや、年始の米雇用統計が予想を下回るなど内容次第では、金利上昇傾向が反転し、円高傾向に転換する可能性があります。そうなれば、日経平均の思わぬ下落もあり得そうです。


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