Friday, January 22, 2010

[2010/01/22]日経平均の今後の見通し

[市況]
21日、NYDowとNASDAQは大幅下落しました。22日の日経平均先物は、前日比210円安で寄り付きました、前場は170円安まで下げ幅を縮めた後は、再び下落し、後場寄り直後に330円安となる場面もありました。その後は戻り歩調となり、最終的に前日比250円安で引けました。日経平均は277円安で引け、出来高は28.7億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、190万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。

21日の米国市場は、米政府が金融危機の再発防止策として新たな金融規制案を発表。規制の強化が業績にマイナスになるとの見方から金融大手株が下げたことが相場全体の売りにつながりました。1月の景気指数が15.2と、市場予想の18程度を下回ると下げ幅を拡大しました。中国の金融引き締め観測で商品先物相場が軟調に推移し、素材株が下落したことも相場の重荷でした。
22日の日本市場では、米市場が大幅下落。これを受けた日本株市場も売りが序盤から優勢となりました。90円割れ水準まで円高が進んだことも嫌気され、一時10500円手前まで下げが拡大しました。後場は押し目買いで下げ渋る場面もありましたが、週末を控えて積極的な買いは限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線の下に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変りました。総合乖離率は+12.1%とプラス幅が縮まりました、200日線との乖離率は+7.5%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線を下回りました。
NYDowは75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。NASDAQは、75日線・200日線および一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変化しました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.6ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.4ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況、中国の金融引き締めの見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や財政赤字国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。米国の7月~9月期のGDPは概ね好調でした。米企業の10月-12月期決算発表は一部大手銀行以外は好調なすべり出しです。経済指標では、1月の景気指数が市場予想を下回りました。12月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を上回り改善傾向がストップし悪化しました。一方、住宅関連では、10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比の下落率が縮小しています。11月の中古住宅販売は好調なものの、12月の米住宅着工件数は市場予想を下回りました。12・1月の景気指標は今までの改善傾向が踊り場に入ったことを示しているようです。されに、中国の金融引き締めが悪材料となっている面もあります。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。その上、新たに米政府の金融機関に対する規制問題が浮上したことも悪材料です。ドバイショックや、他の財政赤字国の債務不履行懸念問題も忘れる訳にはゆきません。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は21日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.27ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが37.1、PBRが1.34となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落率ほどは下げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均は270円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-60円~+350円の間で推移しています。日経平均は、米市場の下げと円高が重なった割には下げ幅が限定的でした。日本市場には引き続き外人買いが入っているようです。今夜の米国市場は12月半導体製造装置BBレシオやGE、マクドナルドの決算が注目されそうです。米政府の金融機関に対する規制強化の動きは、大手金融機関に与える影響が具体的に見えない分、投資家の不安心理解消に時間が掛かり、特にリスクマネーの動きに影響を与えそうです。日米市場ともしばらく、調整が続く可能性が高いと思われます。


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