日経平均の予想: <080929>日経平均の今後の見通し

Monday, September 29, 2008

<080929>日経平均の今後の見通し

[市況]
26のNYSEは上昇しNASDAQは小幅下落でしたが、日経平均先物は前日比40円安で寄り付き、前場に160円高まで上昇しましたが、その後は下落に転じ、結局180円安で引けました。出来高は17.1億株と低水準で、寄付き前の外人は990万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を若干広げ、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
26日の米国株式市場では、協議進展のカギを握る下院共和党が修正協議に参加する姿勢を示したことで、金融安定化法案が週末にまとまる可能性が意識され、金融株が買われて、朝方下げていた株価指数を押し上げました。一方、NASDAQは携帯情報端末のリサーチ・イン・モーションなどの業績悪化が嫌気され小幅に下げて終了しました。
29日の日本市場は、米政府と議会が28日未明に金融安定化法案で大筋合意し、前場の日経平均は12000円台を回復する場面がありましたが、市場は不良資産買取りの実効性を見極めたいという意識が大勢となりました。アジア市場が下落したことや朝方の円安が午後に止まるとハイテク株などが値下がりする銘柄が増えました。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線、25日線の下に在り、9日線も割りましたので、短期トレンドは"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-27.3%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-12.9%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.7ポイントと割安度は拡大し、市場は米国よりも日本の方が今後、企業業績の低下が大きいと見ています。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.7ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線の上に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線の下に在りますが、9日線まで戻し、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは"黄信号"ですが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国ではやっと議会で金融安定化法案が基本合意されたようですが、アジア市場もヨーロッパ市場も今のところ冴えません。今夜の米国市場が注目されます。中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は払拭されておらず、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはさらに時間がかかりそうです。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、26日は上昇しました。(9月安値14.0ドルに対して現在20.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-7.9%で、予想PERは14.5となりました。

[今後の見通し]
日本市場は金融安定化法案が基本合意されたにも関わらず下落しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.2%(-270円)と一転して割安となりました。ドル換算チャートでは、25日線、9日線の下に在り、下落基調が顕著です。金融不安はヨーロッパへも飛び火しました、銀行間取引はまだ落着いておらず、金融機関の破綻連鎖は断ち切れていないようです。株式市場では米金融安定化法案はもう過去のこととなったようです。より強力な材料が早急に出てこないと、下落が続きそうな気配です。先物の窓埋めとなる11490円を割ると,9月安値更新もありそうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

今日の強気・弱気材料はこちら=>今日の強気・弱気材料

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください