日経平均の予想: <080922>日経平均の今後の見通し

Monday, September 22, 2008

<080922>日経平均の今後の見通し

[市況]
19日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均先物は前日比350円ほど高く寄り付きましたが、その後は徐々に値を下げ、結局170円安で引けました。出来高は20.5億株と低水準ながら、寄付き前の外人は1880万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換し、個別銘柄は"買い"が有利な状況となりました。
19日の米国株式市場では、米政府がMMFの投資家保護策と公的資金を使って金融機関からの不良債権を買い取る機関の創設を検討していることを明らかにしたことや、SECが金融株799銘柄の空売りを一時、禁止すると発表したこともあり、金融株を中心に株価指数は大幅高となりました。
22日の日本市場では、米市場の流れを引き継ぎ、朝方から金融株を中心に買い安心感が広がりましたが、不良債権の買取りを巡る議会との調整への懸念もあるようで、12日終値水準となる12200円台まで戻すと、戻り待ちの売りが広がりました。円が106円台と若干円高で推移したことも重しとなったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線、25日線の下に在りますが、9日線を抜き、"黄信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-21.8%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-10.9%とマイナス幅が縮小しましが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は1.4ポイントと割安度は拡大しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.0ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は拡大しました。
NY Dowは、大幅上昇し、75日線の下に在りますが、9日線を抜き25日線まで戻し、一目均衡表の雲の下に接近しました。Nasdaqも、75日線の下に在りますが、9日線を抜き25日線まで戻し、一目均衡表の雲の下に接近しています。米国市場の短期トレンドは"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、まだ"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場では不良債権整理公社構想発表と空売規制で連騰しました。目先の反発力は強いようですが、金融機関は自己資本の充実が必要であり、この構想だけでは完全な問題解決にはなりそうもありません。さらに、中長期的に見ると、世界景気の減速懸念は高まると思われ、加えて、不動産価格は下げ止まったとは言えず、投資銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうですので、6月の高値を抜くにはさらに時間がかかりそうです。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。市場の関心は10月中旬の欧米主要銀行の決算に移ると思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、19日も大幅上昇し年初来安値を更新しました。(9月安値14.0ドルに対して現在20.6ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-7.3%で、予想PERは14.8となりました。

[今後の見通し]
日本市場は円高に振れたこともあり、米国市場の大幅高の割には、今日も上昇幅は小さかったようです。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.0%(-250円)と割安度は拡大しました。ドル換算チャートでは、25日線の下に在り、9日線を抜きましたが、まだ下落基調です。米市場は25日線まで戻し、売られ過ぎの訂正は終わったようです。ここからの上昇の大きさが、今後のトレンド予測にとって重要と思われまが、目先は不良債権整理公社構想の中身と今週発表の経済指標次第と思われますが中長期的には厳しい状況が予想されます。


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