日経平均の予想: [2010/06/29]日経平均の今後の見通し

Tuesday, June 29, 2010

[2010/06/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
28日の、NYDowとNASDAQは小幅下落しました。29日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付きました。前場は80円高まで買われる場面がありましたが、後場は下げに転じました。その後も安値を切り下げ、最終的に140円安で終わりました。日経平均は123円安で引け、出来高は15.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、990万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
28日の米国市場では、このところ住宅指標を中心に市場予想を下回る米経済指標が目立っていることや、G20の首脳宣言で、財政再建に向けた各国の歳出削減の動きなどが世界の景気低迷につながるとの思惑が、相場の重荷になりました。一方、オバマ米大統領が無線ブロードバンド網などで使う電波について、今後10年間で利用量を2倍近くに増やすことを目指す覚書に署名したことで、通信大手AT&Tなどが買われ、相場を支えました。1日を通じて膠着した相場でした。
29の日本市場では、朝方は値頃感から買いが先行し、一時70円近く上昇する場面がありました。ただ、手掛かり材料難から積極的な買いは続かず、前引けにかけて伸び悩みました。後場は円相場が約1ヶ月ぶりに88円台へ突入したほか、アジア市場の軟調推移を受け、一転して下げに転じました。下げ幅が一時140円超へ達し、当日の安値圏で大引けを迎えました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-17.5マイナス幅が拡大しました。200日線との乖離率は-6.9とマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、9日線の下に在りますが、25日線の上に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、9日線、25日線、200日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.3ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.0ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.01ポイント割高ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、5月の耐久財受注、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、5月の景気先行指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の住宅関連指標は好調でしたが、5月の住宅着工件数が予想以下となり、5月の新築住宅販売件数の水準は過去最低で、マイナス幅は過去最大となりました。3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は弱含みでした。5月、6月の景気指標はまちまちで、住宅関連指標は悪化しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、世界景気の後退リスクも出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 06月24日 0.5372% → 06月25日 0.5347% → 06月28日 0.5334%と落ち着いており、低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は25、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.00ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.3、PBRが1.10、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落率以上に下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+0.5となり、日経平均は40円の割高で、プラス幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、+30円 ~ +260の間で推移しています。日本市場は、円高と上海市場に反応して米国市場より下げました。今夜の米国市場は、4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数や6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が注目されそうです。ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られませんが、市場はこの材料にそろそろ厭きてきた面もあるようです。さらに、LIBORも下降ぎみですので、安心感も出てきたようでが、今日は、ギリシャのストなどで、ユーロが売られました。今後も欧州で悪材料が出れば大幅下落するリスクはありますが、その場合でも6月9日の安値9378円を下回る可能性は少なくなったようですが、日経平均は25日線を大きく下回りましたので逆三尊の形となりそうです。


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