日経平均の予想: [2010/06/28]日経平均の今後の見通し

Monday, June 28, 2010

[2010/06/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
25日の、NYDowは小幅下落し、NASDAQは小幅上昇しました。28日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付きました。前場はじりじりと下げる展開でした。後場は安値圏での膠着した相場となり、最終的に50円安で終わりました。日経平均は43円安で引け、出来高は14.3と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、870万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
25日の米国市場では、1-3月期の実質GDP確定値が下方修正され、米景気の回復鈍化を懸念した売りや、週末を控えた持ち高整理目的の売りが優勢でしたが、金融規制改革法案を巡る不透明感が上下院案の一本化を受けて後退したとの見方から、金融株が上昇したことや、国際商品相場の上昇で素材株も買われ、相場を下支えしました。
28の日本市場では、朝方はやや買いが優勢となりましたが、円高進行が重しとなり、寄り後すぐに約60円程度の下げへ転じました。その後は売り買いともに手掛かり材料が乏しく、大引けにかけては膠着感が強まりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-14.0マイナス幅が拡大しました。200日線との乖離率は-5.8とマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、9日線の下に在りますが、25日線の上に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、9日線、25日線、200日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.3ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.6ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.01ポイント割高ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、5月の耐久財受注、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、5月の景気先行指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の住宅関連指標は好調でしたが、5月の住宅着工件数が予想以下となり、5月の新築住宅販売件数の水準は過去最低で、マイナス幅は過去最大となりました。3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は弱含みでした。5月、6月の景気指標はまちまちで、住宅関連指標は悪化しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 06月22日 0.5382% → 06月23日 0.5382% → 06月24日 0.5372% → 06月25日 0.5347%落ち着いており、低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は25、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.94ル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.6、PBRが1.12、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+1.3となり、日経平均は120円の割高で、プラス幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、+80円 ~ +230の間で推移しています。日本市場は、円高の割には下げ渋りました。今夜の米国市場は、5月の個人支出が注目されそうです。ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られませんが、市場はこの材料にそろそろ厭きてきた面もあるようです。さらに、LIBORも下降ぎみですので、安心感も出てきたようです。今後も欧州で悪材料が出れば大幅下落するリスクはありますが、その場合でも6月9日の安値9378円を下回る可能性は少なくなったようです。日経平均は25日線を下回りましたが、G8,G20の結果は材料にはなりませんでした。週末の米国の雇用統計の発表を控え、25日線を挟んだ膠着した相場が続きそうです。


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