日経平均の予想: [2010/03/31]日経平均の今後の見通し

Wednesday, March 31, 2010

[2010/03/31]日経平均の今後の見通し

[市況]
30日、NYDowとNASDAQは上昇しました。31日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。後場初めにかけて40円高まで買われた後は後場中頃まで小動きな展開となりました。引けにかけて若干売られ、最終的に20円安で引けました。日経平均は7円安で引け、出来高は20.4億株と減少しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、50万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
30日の米国市場では、3月の消費者信頼感指数が前月比で上昇し、市場予想も上回りました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は、予想より小幅な低下にとどまり、景気の回復期待がやや強まり相場を支えました。ベライゾン・コミュニケーションズなど材料が出た銘柄が買われ指数を押し上げましたが、デフレ懸念から利益確定売りで安く推移する場面もありました。
31日の日本市場では、円安を好感し、朝方から買いが先行しました。日経平均は連日で昨年来高値を更新したものの、上値圏では利益確定売り圧力が強まりました。後場も一段の円安進行を好感した買いが入り、さらに上昇する場面もありましたが、月末要因から積極的な上値追いとはならず、大引けにかけては小幅安へ転じました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+19.6%とプラス幅は縮まりました。200日線との乖離率は+9.0%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.2ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.3ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の10月-12月期決算発表は、好悪まちまちな状況でした。経済指標では、3月の消費者信頼感指数、2月の景気指数、小売売上高、個人消費支出や1月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りましたが、2月の卸売物価指数は低下しました。2月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数の減少幅は事前予想より改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売が減少したものの予想以上となり、2月の住宅市場指数も改善し、1月の住宅着工件数も改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています。12・1月の景気指標はまちまちでしたが2・3月は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは低下したままのようです。2月の消費者物価指数が高い伸びとなった中国の金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャの財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっています。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は30日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.09ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが34.0、PBRが1.40となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、今日も、米国市場の上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%%となり、日経平均は80円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-240円~-40円の間で推移しています。日経平均は、円安進行の割には伸び悩みました。今夜の米国市場ではADP雇用統計や3月のシカゴ購買部協会景気指数などの経済指標が注目されそうです。米国市場は高値揉み合いが続いていますが、日経平均も追従しそうな気配です。騰落レシオは再び上昇し138と高水準を保っており、25日移動平均乖離率も4.5%と過熱感が出る水準に近いところにあり、高値警戒感は強いものがあります。しかし、騰落レシオは日経平均のピークに先んじてピークを付けることが多いことを考慮すれば、先高感も依然として存在します。目先は週末の米雇用統計の発表を控えて様子見気分が高そうですが、引き続き、押し目買いが有利と思われます。


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