日経平均の予想: <20090921>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, September 20, 2009

<20090921>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
市場では低金利と景気対策効果もあり景気回復期待が高まっていますが、中長期的には、米国を中心とする消費の低迷や雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が大と思われます。
そのような環境の中、先週も米国市場は、企業業績と経済指標の改善や商品市場の活況で上昇しました。今週は、為替の動きや米国の8月景気先行指数、8月耐久財受注などが注目されそうです。
2009年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はOECDのGDP予想値が改訂され日本市場が3.7ポイント割高となっています。先週と比べ0.1ポイント割高幅が」縮小しました。日本市場は米国市場に比べGDPの減少率と企業利益の減少率が著しい点が原因です。日経平均のPERは40.8で、S&P500のPERの17.5と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも大幅な割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-5.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は年初来高値を更新して上昇しました。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.3%となっています。
③長期金利は低下ぎみで、日米の金利差は2.1%で推移し、為替は90--91円台のレンジ内の動きでした。今週は、92-89円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-5.6%となり、米国は-2.8%と予想されていますので、この面では日本市場にとって2.8ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤9月2週の外人は売り越しでした。9月3週は買い越しだった可能性は高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①が強気材料で③が弱気材料でした。今週も①③がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、10.0ポイント割安となり、先週比3.4ポイント拡大しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+14.8%となり先週と比較してプラス幅は1.5ポイント縮小し、総合乖離率は+18.0%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は9日線の上に在りますのが、25日線の下に在りますので、短期的には"黄信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週も、米国市場の上昇に連動して、日本市場も上げましたが、円高警戒感の影響で上昇は限定的でした。今週の米国市場は、米金融機関の財務不安が蒸し返されなければ、高値圏での揉み合いが想定されます。円は90円割れ寸前では押し返されていますが、連休中に、90円割れも想定しておく必要がありそうです。円高警戒感が続けば、日本市場は米国市場より下振れする動きとなりそうです。一方で、金融不安が再燃するとドルが買われ、株価は下落する中で、米国市場より上振れする可能性にも考慮が必要と思われます。


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