日経平均の予想: <20090901>日経平均の今後の見通し

Tuesday, September 01, 2009

<20090901>日経平均の今後の見通し

[市況]
31日のNY DowとNASDAQは下落しましたが、1日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き、前場開始直後に20円安間で売られましたが、後場初めにかけて110円高間で上昇しました。その後はもみ合いとなり、最終的に前日比50円高で終わりました。日経平均は37円高で引け、出来高は16.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は110万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

31日の米国市場では、上海市場の6.7%の大幅な下げや、アジア・欧州株市場の下げを嫌気し、利益確定や持ち高調整の売りが出て下落しました。8月のシカゴ購買部協会景気指数は50と市場予想の48を上回り、3カ月連続で上昇したものの、市場の反応は限定的でした。
1日の日本市場では、米国市場安にも拘らず、中国のPMIが3ヶ月連続で改善したことで、前日に急落した上海市場が持ち直したという外部要因に支えられて、日経平均も小幅に上昇しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+25.7%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+18.2%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)でも200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、2.2ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数はさらに底打ち感が顕著になってきました。4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しており、米国の設備投資の伸びなやみや中国当局の景気引き締め政策が足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので、ひとまず、9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。しかし、米地銀の不良債権問題はくすぶっています。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は31日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在5.00ドル)6割戻しを達成しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.6となりました。PBRは1.35となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落のも関わらず上昇しました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.0(100円の割安高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅を拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-100円~-+360円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowより、上振れする動きとなりました。
米市場の短期トレンドは黄信号となりました。今日の日経平均は、アジア市場の上昇に支えられた格好です。今夜の米国市場では米8月ISM製造業景況指数の発表内容が注目されそうでが、揉み合いとなりそうです。明日の日本市場も上海市場の動きを横目で見ながら米国市場より下振れする動きが予想されます。


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