[市況]
6月26日、NYDowとNASDAQは下落しました。6月29日の日経平均先物は、前日比530円高で寄り付くと、午前中は560円高から1440円安と下落に転じ、午後は970円安から170円高とプラス圏に戻して、結局、170円高で取引を終えました。日経平均の終値は107円高の69468円で、出来高は26.95億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
6月26日の米国市場では、オープンAIが計画していたIPOを2027年に延期する方向で検討しているとの報道を受け、AIへの巨額投資の収益性をめぐる懸念が強まり、関連銘柄に売りが出て相場全体の重石となりました。一方、エネルギー輸送の正常化が進むとの期待から原油先物相場が下落したことは市場心理の支えとなりました。結局、NYDowは3日ぶりに反落し、NASDAQは5日続落しました。
6月29日の日本市場では、前週末の米半導体株安を受けて値がさのAI・半導体関連銘柄が売られ、指数を押し下げました。ただ、日本株の先高観は根強く、下値では海外勢から断続的に先物買いが入って指数を支えました。韓国政府が主要産業への大規模な投資計画を発表したことや、米国とイランが攻撃停止で合意したと伝わったこと、原油先物相場が下落したことなども追い風となりました。結局、日経平均は小幅に反発しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は+44.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+27.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+20.9ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が14520円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+20.5ポイントと前日比横ばいで、日経平均が14240円ほど割高であることを示しています。
日経VIは43.36と前日より上昇し、VIXは18.53と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.91、米国-0.29と日本が2.62ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.28ポイント(日経平均換算で3340円)割高となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP改定値は前期比年率1.6増で、速報値の2.0%増から下方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注、5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、5月のシカゴ購買部協会景気指数、4月の消費者物価指数、4月の耐久財受注、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は10勝2負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.2万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.3%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。また、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、5月の新築住宅販売件数、5月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。3月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+0.83%で、市場予想の+1.0%を下回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという点では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、6月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、年内に利上げに転換する見通しを示しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀も、6月の金融政策決定会合で政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが18.09、PBRが1.92となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.6%となり、これは3か月前より1.9ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+10.2%で、こちらは3か月前より12.0ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均の割高幅は330円から370円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+330円~+3390円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.80ポイントから1.75ポイントに縮小しました。ドル円相場は円安水準でもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
6月29日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを1140円ほど下回り、下値は想定ラインを320円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+400円(現在70750円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在67880円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は25日線近辺で反発する形となりましたが、ここから高値を更新するような勢いを得るには、AI・半導体関連銘柄の戻りが必要となるでしょう。
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