[市況]
5月19日、NYDowとNASDAQは下落しました。5月20日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は30円安から1540円安と下落幅を拡げ、午後は1530円安から910円安と下落幅を縮めて、結局、1180円安で取引を終えました。日経平均の終値は746円安の59804円で、出来高は27.83億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
5月19日の米国市場では、原油価格の高止まりを受けてインフレへの懸念が強まり、長期金利が一時4.68%と2025年1月以来の高水準を付けたことから、相対的に割高感の強まった株式は売りが優勢となりました。エヌビディアの決算発表を20日に控えて様子見ムードが強まったという面もありました。NYDowは反落し、NASDAQは3日続落しました。
5月20日の日本市場では、世界的な金利上昇への警戒感が投資家心理の重石となるなか、AI・半導体関連銘柄に利益確定の売りが出て、指数を下押ししました。一方で、医薬品や小売など金利上昇の影響を受けにくい銘柄や、金利上昇が追い風になる銀行株の一角には買いが向かいました。日経平均は5日続落し、節目の6万円を終値で割り込みました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の下にあり、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+22.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+17.6%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。
NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+5.4ポイントとプラス幅をやや拡げ、日平均が3230円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+13.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8310円ほど割高であることを示しています。
日経VIは29.96と前日より低下し、VIXは18.17と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.04、米国+0.14と日本が3.18ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.7)は1.5ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.68ポイント(日経平均換算で24290円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP速報値は前期比年率2.0増で、市場予想の2.2%増を下回りました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調でした。
米国の経済指標は:
3月の製造業受注、3月の耐久財受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、4月の小売売上高は市場予想に一致しました。一方、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、4月のISM製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、3月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.5万人増で、市場予想の5.5万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.3%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
5月の住宅市場指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。また、3月の住宅着工件数、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。2月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+0.9%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は4勝2負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、4月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、追加利下げには慎重な姿勢が示唆されました。ECBは、4月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、4月の金融政策決定会合でも政策金利を0.75%に据え置きましたが、展望リポートはタカ派的と読み取れる内容でした。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.20、PBRが1.80となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.5%となり、これは3か月前より1.6ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+8.6%で、こちらは3か月前より9.9ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.8%となり、日経平均の割安幅は320円から1120円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1120円~+2200円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.84ポイントから1.88ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安水準でもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
5月20日の米国市場では、4月のFOMC議事要旨のほか、エヌビディア、インチュイット、ハズブロ、ターゲット、アナログ・デバイセズ、ロウズ・カンパニーズ、プログレッシブ・コープ、ノードソンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、中東情勢と原油価格、長期金利も株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを880円ほど下回り、下値は想定ラインを210円ほど下回りました。目先は、25日線+500円(現在60600円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在58350円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は5日続落し、25日線を下回りました。エヌビディアの決算次第ではあるものの、下落傾向はしばらく続きそうです。
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