Thursday, July 29, 2010

[2010/07/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
28日の、NYDowとNASDAQは下落しました。29日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付き、前場は徐々に値を上げる展開となりました。後場開始直後に10円高を付ける場面もありましたが、引けにかけて徐々に値を下げる展開となり、最終的に40円安で終わりました。日経平均は57円安で引け、出来高は18.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、870万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮まりました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
28日の米国市場では、朝方発表の耐久財受注は前月比1%増の予想に対して1%の減少となりました。FRBは地区連銀経済報告で、一部地域の経済活動が「伸びが鈍化」または「横ばい」だったと指摘しました。米景気の回復力が鈍っていることが改めて意識され、幅広い銘柄に利益確定目的の売りが出ました。売上高が市場予想に届かなかったボーイングが売られたこともNYDowの押し下げ要因となりました。
29日の日本市場では、米経済指標を懸念材料として、米国市場が軟調推移だったことから、朝方から売りが先行しました。寄り付き直後の下げ幅は100円を超えたものの、その後は国内企業の好決算期待から買いが優勢となり、後場寄り直後には前日終値近辺まで下げ渋りましたが、積極的な手掛かり材料は乏しく、その後は上値追いとはなりませんでした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-6.2%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-4.9%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.9ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.5ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.2ポイント割高となり、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びでしたが、FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正しました。4-6月期決算発表が始まり、アルコア、インテル、アップル、キャタピラー、GE、フェデックス、デュポンは市場の予想以上でしたがTI、IBM、GSは市場予想を下回りました。経済指標では、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、7月の連銀景気指数、6月の耐久財受注、6月の小売売上高、6月のISM製造業・非製造業景況感指数、7月の消費者信頼感指数、は予想以下となりました。6月の失業率は9.5%と減少したものの、雇用者数が12万人減と事前予想の10万人減より増えやや弱材料となりました。一方、住宅関連では、6月の新築住宅販売件数は予想以上で、6月の中古住宅販売件数が市場予想ほど減りませんでしたが、6月の住宅着工件数が予想以下となりました。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.5%で予想を上回りました。6月の景気指標と住宅関連指標は悪化しましたが、7月はやや改善しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めと、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の資本不足問題は解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいますが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安はひとまず落ち着いたようですが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、重要不足から世界景気の後退リスクも出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 07月26日 4875% → 07月27日 0.4812% → 07月28日 0.4750%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は28日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.09ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.7、PBRが1.12、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.4%となり、日経平均は40円の割安で、割安幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、-250円 ~ +10の間で推移しています。日本市場は、米国市場より弱い動きが続いていますが、かなり改善しました。今夜の米国市場は、新規失業保険申請件数やモトローラ、エクソンモービルなどの4-6月期決算の発表が注目されそうです。欧州銀行のストレステストは通過しましたが、欧州ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない環境に大きな変化は見られません。しかし、LIBORは落ち着いていますので、金融不安に関しては安心感が出てきたようです。G20以降、米国市場では、景気後退懸念が主テーマとなってきた面があり、4-6月期好決算と雇用や消費の低迷との間で綱引きとなっています。日本市場は米国市場に比べ割安感がありましたので、為替の円高推移にも関わらず割安幅は縮小しました。米国市場はボリンジャーバンドの+2σに接近して、テクニカルには利食い売りが出やすい水準でもあり、一服しました。引き続き、NYDowとNasdaqが一目均衡表の雲を抜けられるかどうかに注目したいと思いますが、正念場となってきたようです。日本市場は4-6月期好決算期待はありますが、エネルギー不足が問題です。


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