日経平均の予想: <20091221>日経平均の今後の見通し

Monday, December 21, 2009

<20091221>日経平均の今後の見通し

[市況]
18日、NYDowとNASDAQは上昇しました。21日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場、後場ともに、40円高と70円高のせまいレンジの動きとなり、最終的に前日比50円高で引けました。日経平均は41円高で引け、出来高は15.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、90万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。

18日の米国市場では、オラクルのほか、四半期決算や業績見通しが市場予想を上回った銘柄などが買われ、相場を支えました。ドルが上昇する場面では素材株が売られ、NYDowが下げに転じる場面があったものの。値ごろ感からの買いや株価指数先物・オプションの取引最終日にからむ買いが相場を下支えしました。
21日の日本市場は、前週末の米場が反発したことを受け継いだほか、円安も好感され、朝方はハイテク株を中心に買いが先行しましたが、外国人投資家のクリスマス休暇入りに伴って売買高は低迷しました。手掛かり材料にも乏しく、買い一巡後は一目均衡表の雲上限の10200円を挟んで模様眺めムードが強い相場でした。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+12.1%とプラス幅が拡がり、200日線との乖離率は+6.6%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にありますが、9日線・25日線の下に在ります。NASDAQは、75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあり、9日線・25日線を上回りました。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.7ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、0.8ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大や新興国の債務不履行による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の小売売上高や、12月の消費者態度指数も市場予想以上となりました。11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。住宅関連では11月の住宅着工件数が増加しました。一方、11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数は予想を下回っています。景気指標総じて米国の景気の改善を示しているようです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。新たにドバイショックから他の新興国債務不履行波及リスクも顕在化してきました。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は18日、上昇しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在3.40ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが34.7、PBRが1.27となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円安ぎみにも関わらず、米国市場の上昇率程度の上昇でした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.6%となり、日経平均は250円の割高で、割高幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、+120円~+330円の間で推移しています。日経平均は一目均衡表の雲の上限の10200円は抜けずに、一目均衡表の雲の中でのもみ合いとなりました。今夜の米国市場では、11月のシカゴ連銀全米活動指数の内容が注目されそうです。クリスマス休暇で外人の参戦が徐々に減り、閑散に売りなしで、引き続き、NYDowが10200ドルを割らなければ、日経平均は比較的堅調な動きが続くと考えられます。しかし、為替がそろそろ円高へ反転しても良い水準ですので、リスク要因です。


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