日経平均の予想: <20091201>日経平均の今後の見通し

Tuesday, December 01, 2009

<20091201>日経平均の今後の見通し

[市況]
30日、NYDowとNASDAQは上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比110円安で寄り付きました。前場は前日終値近辺まで戻した後売り直されましたが、後場寄り付きから窓を開けて急騰し、その後も堅調な展開となりました。最終的に260円高で引けました。日経平均は226円高で引け、出来高は27.4億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、90万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。

30日の米国市場は、11月のシカゴ購買部協会景気指数が市場予想を上回ったことや、取引終了にかけて債務返済延期を要請しているドバイワールドが「再建に向けて銀行団と前向きに交渉している」とのコメントが伝わり、信用不安問題が落ち着くとの期待から、前週末に売り込まれた金融株が買い戻され相場を支えました。
1日の日本市場は、前日の反発に伴う反動で、朝方は売り先行で始まりました。その後もジリ安基調で、一時110円超下落する場面もありました。しかし、日銀による臨時金融政策決定会合の開催が前引け後に伝わると、追加金融緩和への思惑から為替が円安方向へ反転し、これを手掛かりに日経平均株価も上げに転じました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下にありますが、9日線を上回り、短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は-4.8%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率は+2.0%とプラス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の下にあり、2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、75日線および一目均衡表の雲を下回っていますが、9日線の上に在り、25日線を上回りました。
NYDowは、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にありますが、9日線の下に在ります。NASDAQは、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にありますが、9日線の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が13.2ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、2.2ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況感指数、10月の小売売上高などは、市場予想を上回っています。米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、労働生産性指数は上昇しました。一方、住宅関連では中古住宅販売は増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月の消費者態度指数も前月を下回り、設備投資も弱さがあります。10月の失業率は10%を超えています。景気指標はまちまちです。
ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、地銀の不良債権問題や、ノンバンク大手CITの破綻の影響も懸念されます。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。加えて、新型インフルエンザの蔓延が欧米やアジアの経済を停滞させるのでは、との懸念も無視できません。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は30日、上昇しました(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在4.11ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが33.0、PBRが1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円安に振れ、米国市場の上昇率以上に上げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均の割安幅は80円に縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-600円~-60円の間で推移しています。
日経平均は昼休みに日銀の臨時金融政策決定会合開催と伝わり、為替が円安に振れたことで後場急騰し200日線を上回りました。中期低迷となるリスクからは一旦は脱したようです。今夜の米国市場は、11月のISM製造業景気指数が注目されそうです。日本市場は予想どおりリバウンド体制に入ってきたようです。次の目標は25日線(9733円)となりました。ただ、日銀の政策発表後に円高に戻していますので、2日は失望感に繋がる可能性も否定できません。


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