日経平均の予想: <20091208>日経平均の今後の見通し

Tuesday, December 08, 2009

<20091208>日経平均の今後の見通し

[市況]
7日、NYDowは小幅上昇しNASDAQは小幅下落しました。8日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付きました。前場は小動きながら、戻し気味に推移し、後場に10円高まで上昇する場面がありましたが、その後はもみ合いとなり、最終的に30円安で引けました。日経平均は27円安で引け、出来高は20.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、270万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利の状態です。

7日の米国市場では、バーナンキFRE議長の講演内容や発言が引き続き超低金利政策の長期化を示唆したと受け止められ、相場を支えましたが、原油先物相場の下落で石油株などが下げたこともあり、大幅上昇にはなりませんでした。
8日の日本市場は、直近の上昇ピッチに対する警戒感に加え、円安一服などが影響し、売り優勢で始まりました。しかし、12月7日に空けた窓埋めには至らず、底堅さも確認されました。その後は手掛かり材料難で模様眺めとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+12.7%とプラス幅が縮まり、200日線との乖離率は+7.4%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、9日線、25日線、75日線および一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にありますが9日線の下に在ります。NASDAQは、9日線、25日線・75日線・200日線および一目均衡表の雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が9.0ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は、変化ありませんでした。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国と中国における実体経済の見通し」「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」「為替の動向」といった事柄を興味の対象としているようです。
米国の7月~9月期のGDPや、11月のシカゴ購買部協会景気指数は、市場予想を上回っています。米企業の7月~9月期決算は概ね好調で、11月の失業率は10%でしたが、雇用者数の減少幅は市場予想を大きく下回り改善が顕著でした。一方、住宅関連では10月の仮契約住宅販売指数が増加したものの10月の住宅着工件数が大幅に減少しました。11月のISM製造・非製造業景況感指数、11月の消費者態度指数や11月の小売売上高は予想を下回りました。景気指標はまちまちです。
ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、地銀の不良債権問題や、ノンバンク大手CITの破綻の影響も懸念されます。このような環境の下、FRBは当面、超低金利政策を維持するようです。
オーストラリアの中央銀行が利上げしたことを見るに、世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に取って代わられつつあるようです。為替は今後も、金利差の変動に大きく左右されるでしょう。

世界景気は底を打ったように見えますが、前年からの落ち込み幅は小さくありません。輸出の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。加えて、新型インフルエンザの蔓延が欧米やアジアの経済を停滞させるのでは、との懸念も無視できません。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は7日、下落しました。(1月高値7.59ドル・3月安値1.02ドルに対し、現在4.03ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERが34.6、PBRが1.27となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高に振れましたが、米国市場と同じように小動きでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.3%となり、日経平均は320円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-190円~+360円の間で推移しています。
日経平均は円安への戻る動きが止まり、日本市場の独歩安の修正の動きも止まりました。日本市場はボリンジャーバンド+2σで頭を押さえられていますが、ドルベースの日経平均では一昨日の高値を超えており、決して弱い動きとは云えません。今夜の米国市場は、注目すべき経済指標の発表はなさそうですので、商品相場や個別銘柄の材料に影響されそうです。日本市場は米国市場の動きに加え、為替に影響されそうです。円安が進めば8月末の年初来高値に接近する動きもあり得ます。SQ前の水曜日は荒れることがしばしばありますので、先物主導の思わぬ動きも有るかも知れません。


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