日経平均の予想: <20090522>日経平均の今後の見通し

Friday, May 22, 2009

<20090522>日経平均の今後の見通し

[市況]
21日の、NYDowと、NASDAQが下落したことを受けて、22日の日経平均先物は、前日比160円安で寄り付きましたが、後場初めに前日同値まで戻しましたが、その後売られ、最終的に50円安で終わりました。日経平均は38円安で引け、寄り付き前の外国人は560万株の売り越しで、出来高は20.6億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

21日の米国市場では、S&Pが英国債の格付けを引き下げたことを嫌気して欧州株が急落し、この流れが米国株にも波及しました。巨額の財政出動で米国債の格下げ懸念もでて、売りを誘ったようです。週間の米新規失業保険申請件数は高水準で高止まりし、5月の景気指数は前月から改善したものの市場予想を下回るなど、米景気の先行き不透明感が広がり、幅広い銘柄に売りが出ました。
22日の日本市場では、米経済指標や米国債格下げリスクへの警戒感、円相場の上昇による輸出企業の業績悪化懸念、GMの再建問題などの悪材料から下落してはじまりましたが、日本の景況感の改善から値ごろ感や投資信託の設定に伴う買いが入り底堅い展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線の上にありますが、9日線を下回っていますので、短期トレンドは黄信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+11.4%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は-2.2%とマイナス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.9ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。200日線は下回っています。NASDAQは、75日線、一目均衡の雲の上に在りますが、9日線、25日線、200日線を下回わりました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変化しました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が4.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMのタイムリミットが6月1日になりました。米政府が来週にもGMに破産法の適用を申請させる方向で準備していると報じられました。債権者との合意が出来るかどうか最後の詰めがなされているようです。2つめについては、米国の雇用状況は高止まりながら底打ちの兆しが多少出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しており、小売り売上の2ヶ月連続減少やFRBのGDP下方修正が重しとなっています。3つめについては、ストレステストの結果発表であく抜け感が一旦は出たものの、さらなる買い材料は乏しいのが現実のようです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は21日、上昇しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.72ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中ですが、予想PERは39.3となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高にも関わらず、結局NY Dowの下落率ほどは下げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.5.%(390円の割高)となっており、日経平均は、プレミアム幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、+10円~+440円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
ドル・ベースの日経平均を除き、日米市場とも短期的に黄信号となり、日経平均は三角持ち合いとなっています。日経平均は短期上昇トレンドにあると思われますので、次の注目点は5月11日の高値9504円を抜けるかどうかですが、新たな買いシナリオが見えてきたとはまだ言えませんので、テクニカルな指標に影響されそうです。上値の心理的節目の9500円がボリンジャーバンドの+2σや200日線の近辺ですが、少し離れました。逆に下値の心理的節目である25日線の9000円に近付きました。これを下回ると下降懸念も出てきますので正念場となったようです。ここ数日、出来高が減少している点が問題です。



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