日経平均の予想: <20090508>日経平均の今後の見通し

Friday, May 08, 2009

<20090508>日経平均の今後の見通し

[市況]
7日の、NYDowとNASDAQは下落しましたが、8日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付きました。前場に20円安となる場面もありましたが、後場に上昇し、最終的に90円高で引けました。日経平均は47円高で引け、寄り付き前の外国人は510万株の買い越しで、出来高は28.7億株と高水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

7日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が前週比で減少し、4月の米既存店売上高が全体で市場予想を上回り、朝方は買いが優勢となる場面がありましたが、引け後にストレステストの結果発表を控え、ひとまず利益を確定する動きが出たようです。
8日の日本市場では、ストレステストの結果発表を受け、金融システム不安が薄れ、後場は銀行や証券、保険といった金融株に買いが膨らみました。上昇ピッチの速さに対する警戒感はあるものの、個人や外人の押し目買い意欲は強く、日経平均は昨年11月5日以来の高値を付けました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号です。一方、日経平均の総合乖離率は+21.3%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は-1.9%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは1つですので、中期的トレンドには、引き続き黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅はほぼ無くなりました。
NYDowは75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、200日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号となりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.3ポイントとかなり割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、クライスラーは破産法適用の後、再建ということになりました。GMのタイムリミットは5月末に延期されましたが、GMも破産法適用が懸念されます。2つめについては、米国の雇用状況に改善の兆しが多少出てきました。経済指標はまちまちですが、再び楽観論が大勢となってきたようです。ストレステストの結果発表であく抜け感も出てきたようです。。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用は改善の兆しがありません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は7日、若干下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.81ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表中につき、予想PERは計算不能となりました。PBRは1.11となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場がストレステスト結果発表を前に下落したにも関わらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.5.%(130円の割高)となっており、日経平均は、割高に変化しました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円~+150円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には、青信号が点灯しています。
日経平均は今日も年初来高値を更新し、テクニカルにも短期の青信号が点灯し続けていますので、堅調な動きが続いています。しかし、25日平均乖離率が7.2%でサイコロジカルラインも75%に上昇するなど警戒域となりましたので、利食い売りも出やすい水準です。ここからの上昇には出来高が高水準を保つことが必要ですので、出来高が減少すれば、一服となりそうです。



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