日経平均の予想: <20090216>日経平均の今後の見通し

Monday, February 16, 2009

<20090216>日経平均の今後の見通し

[市況]
13日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は60円安で寄り付き、前場はさらに90円安まで下げ、その後一時30円高まで戻しました。後場は小動きな展開で、結局50円安で引けました。日経平均は29円安でした。寄付き前の外人は870万株の売り越しで、出来高は15.6億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
13日の米国株式市場は、金融不安が依然として強く、金融株を中心に売りが出て株価指数を押し下げました。約7890億ドル規模の景気対策法案を、下院が可決したものの、株価上昇には繋がらず、金融安定化策の具体案が明確に示されていないことの懸念が勝っているようです。
16日の日本市場では、10―12月期の実質GDPの減少率は前期比年率12.7%と、35年ぶりの大きさを記録したものの、織り込み済みとの見方が多く、売りは目立たちませんでした。17日のGMとクライスラーの再建計画の提出期限を控え、模様眺めに終始しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-41.2%とマイナス幅は若干拡大し、200日線との乖離率も-30.6%とマイナス幅は若干拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.1ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、一目均衡表の雲、75日線、9日線の下にありますが25日線の上にありますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドは、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が3.5ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づき、GMの会社更生法適用も選択枝との報道がありました。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まらず、米上下院で景気対策法案がようやく一本化され可決へ向かいそうですが、保護主義的な法案になりそうなところが市場の懸念材料です。③については、オバマ政権の金融安定化策が官民共同投資ファンドである点と不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかった点を、市場は評価していないようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、13日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-86.1%で、予想PERは63.5、PBRは0.89となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、米国の下落に連動して下落しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.6%(140円の割安)となり割安幅は変化ありませんでした。プレミアム値はここ1週間は-380~-20の範囲で動いています。日経平均は、割安方向に乖離しています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線、9日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。今日も1/26日の安値7671円を終値で下回ることはありませんでした。引き続き7671円を終り値で割るか否かを見極める必要があります。


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