日経平均の予想: <20090205>日経平均の今後の見通し

Thursday, February 05, 2009

<20090205>日経平均の今後の見通し

[市況]
4日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は60円安で寄り付き、前場に140円安まで下げた後は、後場中頃にかけて90円高まで戻しましたが、引けにかけて下落し、結局80円安で引けました。日経平均は89円安でした。寄付き前の外人は610万株の買い越しで、出来高は21.9億株に増加して、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
4日の米国株式市場は、1月の米ISM非製造業景況感指数で、総合指数が前月の40.1から42.9に上昇したことなどでNY Dowは午前中は上昇したものの、ウォルト・ディズニーが市場予想を下回る決算を発表したことや、バンカメが節目の5ドルを割り込んだことが市場心理を悪化させ、NY Dowは下落しました。半面、ハイテク株は底堅い展開でした。
5日の日本市場では、米市場安や前日に日経平均が200円強上げた反動の売りが優勢だったほか、シスコシステムズの業績不振を受けてGLOEXでNasdaq100株価指数先物が大きく下落していたことから、今晩の米株安に対する懸念が強まったようです。一方、商品市況の回復期待を背景に海運や商社などが買いを集め、相場全体を下支えしました。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、下に在り9日線を割りましたので、短期トレンドは"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-39.7%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-29.8%とマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.7ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが9日線の上にありますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が2.0ポイント割高となりました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、オバマ政権に持ち越されていますが、2/17の改革案の提出期限が近づいてきましたので、再び材料視されそうです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、日米主要企業の決算発表を終え業績内容の悪さが顕著ですが、まだ一巡したとは言えないようです。市場は、実態悪とオバマ政権への期待が交互に材料視されています。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、4日は変わらずでした。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-68.2%で、予想PERは28.4、PBRは0.91となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落率ほどは下げませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+1.2%(100円の割高)となり割高幅は拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-180~+270の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲の中にありますが、75日線、25日線の下に在り、9日線を割りましたので、短期的には"赤信号"となりました。日経平均は、年初から、NY Dowと連動した動きにもどっています。米国市場に好材料がでて、日経平均は、9日線を割りましたのでテクニカルには下落リスクがでてきましたが、ファンダメンタルでは週末の雇用統計が影響しそうです。日経平均は三角持合に入りましたので、1/29の高値8305円か2/2の安値7795円のどちらかを抜いたほうについて行くのが良さそうです。


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