日経平均の予想: [2012/04/22]今週の日経平均の見通し

Saturday, April 21, 2012

[2012/04/22]今週の日経平均の見通し



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、企業決算は好悪まちまちながら、南欧諸国の財政問題への懸念が後退したことで上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.37ポイント割高となっています。その要因はS&P500PER14.0で、東証1部平均の今期予想PER21.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の復興などの影響で日本の2012年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.4%分日本が勝る、又は、東証1部平均の今期予想PER16.4程度となることが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。今週も、EU諸国の国債の金利動向と米国経済指標発表の影響が米株式相場に影響しそうですが、NYDowの中期トレンドに変化が及ぶか否かに注目する必要がありそうです。
   日経225採用銘柄の前期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い-26%と大幅なマイナスとなり、ROE予想値も7.4%から4.7%へ悪化しています。
   日米の長期金利は下降ぎみで、日米の金利差は1.05%から1.04%へやや縮小したものの、為替は80円台から81円台と円安方向の動きでした。今週も81円台から82円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.0%で、米国は+2.0%と予想されていますので、この面では日米市場の差はありません。
   42週は買い越しで、43週は買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③⑤が強気材料でした。今週も、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.7ポイント割安となりました。先週比0.1ポイント割安幅は縮小しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。総合乖離率は+4.3%となりプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+5.2%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。2つがプラスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。中期的には"青信号"で短期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、欧州の政府債務問題、アフリカ・中東政情不安、新興国の利上、資源高、などのリスクはやや後退しているものの雇用指標の停滞、不動産市場の低迷、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2014年後半まで継続する見通しの中、1-3月期の米企業決算は今までのところ、さほど悪材料とはなっていない点が挙げられます。また、日本市場の10-12月期の企業決算では前期業績予想の伸び率が鈍化していますが、日銀が追加金融緩和と年率1%のインフレターゲットを設定したことが好感されて、為替が円安方向を維持しています。これが今後も維持出来れば、目先の日本市場の上昇余地は有りそうですが、ファンダメンタル面では割高となっていますので今期の業績の大幅改善が前提条件です。テクニカルな面を見ると、米国市場は上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いとなっています
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、金融危機懸念は当面収まりつつあるものの、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降傾向から横ばいに変化しており、スペイン財政赤字拡大の影響など南欧諸国の国債金利動向を見極めたる必要がありそうです。一方、先週の為替は日米金利差がやや縮小したものの、日本の貿易赤字報道で円安方向の動きとなりました。
先週の日経平均の下値は、ほぼ予想通りボリンジャーバンド-2σ近辺まで下げた後ボリンジャーバンド-1σを挟んだ動きとなりました。今週の米国市場は4月の消費者信頼感指数、3月の耐久財受注、1-3月期のGDP、住宅関連指標などの経済指標が注目されそうです。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうでが、今週の日経平均は、上値が下降中の25日線 (現在9840近辺)で、下値が下降中のボリンジャーバンド-1σ(現在9570近辺)が想定されます



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