日経平均の予想: [2011/03/20]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, March 19, 2011

[2011/03/20]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、東日本巨大地震災害で日本の経済活動が停滞し、世界景気を押し下げる可能性があるとの警戒感から下落しました。一方、中長期的には、先進国の消費や雇用の改善の動きは弱く、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念と、先進国の緊縮財政と資源高騰に伴う新興国の利上げによる景気後退懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性は残されています。
2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はS&P500のPERの低下の影響で、日本市場が1.6ポイント割高となりました。その要因はS&P500のPERが10.1で、東証1部平均のPERの14.7との差と日米金利差によるものです。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011年GDP予測値(現在+1.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
① 先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、原発問題を初めとする東日本巨大地震災害復旧状況、リビア情勢に伴う、リスク許容度の変化や住宅関連経済指標などが株式相場に影響しそうですが、一進一退の動きが続きそうです。
② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は85%となり、今期ROE予想値は4.3%から7.8%へ改善しています。
③ 日米とも長期金利は上昇傾向ですが、日米の金利差は2.1%~2.0%と縮小ぎみの推移となり、為替は81円から76円台と円高方向の動きでした。今週は79から81円台が想定されます。
④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は日本が+1.7%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.5ポイント分の弱気材料です。
⑤ 3月2週は買い越しで3月3週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③が弱気材料でした。今週も、①③⑤と地震災害が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、13.1ポイント割安となり、先週比7.1ポイント割安幅が拡がりました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。200日移動平均線乖離率は-6.3%となり先週と比較してマイナス転換しました。総合乖離率は-28.1%となりマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には赤信号"で中期的には"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場は、北アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上げ、東日本巨大地震災害の世界経済への影響などのリスクが意識され悪材料となっていますが、好材料としては、FRBによる金融緩和が継続する見通しの中、好調な経済指標の発表が続いていることや、S&P500の今期予想PERが10.1まで低下したことで、新たな、上昇余地が出てきた点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期横ばい傾向ですが短期は下降トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EUの財政問題についてはLIBORのドル3ヶ月物金利は低水準横ばいで、まだギリシャ・ショック以前の水準です。今のところ欧州の金融不安には繋がっていません。また、昨年10月以来の米長期金利上昇は一服しており、先週の日米金利差は縮小し、為替は一時大幅な円高となりましたが、政府の介入により戻す動きとなりました。
今週の米国市場では、2月の中古住宅販売件数などの住宅関連や2月の耐久財受注、3月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が注目されそうです。先週の日経平均はNYDowの動きよりは大幅に弱い動きとなりました。今週の日経平均は、福島原発の問題解決状況と為替の変化を睨みながら10000万円を目指した戻りの可能性を試す展開となりそうです。ただ、楽観的なニュースが続いても10000円を回復することは、当面困難と思われます


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