日経平均の予想: <20091009>日経平均の今後の見通し

Friday, October 09, 2009

<20091009>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日のNY DowとNASDAQは上昇しました。9日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付きました。寄り付き後に10円安まで売られる場面もありましたが、終日堅調に推移し、最終的に前日比150円高で終わりました。日経平均は183円高で引け、出来高は20.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1340万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、”買い”が有利な状態です。

8日の米国市場では、アルコアの7-9月期決算が市場予想を上回ったことが好感され、素材株などが買われました。朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が予想より少なかったうえ、9月の小売売上高が予想に反して前年同月比0.6%増加したことで、景気回復への期待が改めて強まり、株価指数は上昇しました。
9日の日本市場では、寄り前発表の8月機械受注統計は前月比0.5%増と、予想を下回ったものの、米市場の上昇に加え、円高進行が一服するなど、投資家心理改善による自律反発狙いの買いが優勢となりました。後場に入ると中国株市場の堅調推移も支援材料となりました、終値では心理的節目の1万円の大台を回復しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は+7.3%となり、プラス幅を拡大しました。200日線との乖離率は+9.5%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の下に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線、9日線の上に在りますが、25日線も上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.1ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が4.0ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」、「為替の動向」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、4-6月期の米GDPや9月のISM非製造業景況感指数や9月の小売売上高が改善しました。しかし、住宅関連指数はまちまちで9月の消費者態度指数やシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となり、消費関連経済指標もまちまちです。9月の雇用統計は雇用者数が予想以上に減少し、さらに、9月のISM製造業景況指数が前月比で低下したことや、米国の設備投資の伸びなやみが景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。一方、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面ゼロ金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題やノンバンク大手CITの破綻懸念問題がくすぶっています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。3つめについてはオーストラリアの中央銀行が利上げしたことにより、世界的な低金利政策から各国の事情ごとの金利政策への転換点となったようです。為替は金利差による変動となる要素が増しそうです。但し、対ドルに対する円高方向に変化は見られません。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は8日、小幅上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.65ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは39.1となりました。PBRは1.26となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高の改善で、NY Dowの上昇率以上に上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%(130円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は若干拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-340円~-110円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振する動きが続いていましたが、ここ3日は上振れしています。ドル・ベースの日経平均は、NY Dowより130円ほど下振れで昨日とあまり変化はありませんが、円ベースでの日経平均は270円程度の下振となり160円ほど改善しました。日本市場独自の弱さによる分が130円、円高による下振れ分が140円と言うことになります。
日本市場の短期トレンドは、黄信号となりました。米市場は青信号です。今夜の米国市場では8月の貿易収支が注目されそうです。日経平均の弱さの原因である円高も改善の兆しが出てきました。外人買いも続いているようですので、米国市場が大きく崩れなければ、米国市場からの下振れの改善に今後も繋がるものと思われます。


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