日経平均の予想: <20091006>日経平均の今後の見通し

Tuesday, October 06, 2009

<20091006>日経平均の今後の見通し

[市況]
5日のNY DowとNASDAQは反発しました。6日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付きました。寄り付き直後に80円高まで買われましたが、後場寄付にかけて50円安まで売られました。その後は戻り歩調となり、最終的に前日比同値で終わりました。日経平均は17円高で引け、出来高は20.4億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は150万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態ですがボトムアウト感が出てきました。

5日の米国市場では、9月のISM非製造業景況感指数が前月比で市場予想以上に上昇したことで、景気不安が和らぎ、買いが優勢となりました。アナリストによる大手銀行セクターの投資判断引き上げで、銀行株が堅調に推移したことや、原油上昇でエネルギーや素材株が買われたことで、株価指数は上げ幅を広げました。
6日の日本市場では、米市場高や前日までの3日で458円下落した後とあって、自立反発を意識した買いが優勢でした。ただ、手掛かり材料に乏しく、円高方向へ推移したことも重しとなり、後場は下げに転じる場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-2.7%となり、マイナス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+6.3%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の下に在ります。1つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に入りました。
NY Dowは200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.7ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が3.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、4-6月期の米GDPや9月のISM非製造業景況感指数が改善しました。しかし、住宅関連指数はまちまちで、9月の雇用統計は雇用者数が予想以上に減少し、9月の消費者態度指数やシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となり、消費関連経済指標が弱含みになってきました。さらに、9月のISM製造業景況指数が前月比で低下したことや、米国の設備投資の伸びなやみが景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。一方、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面ゼロ金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題やノンバンク大手CITの破綻懸念問題がくすぶっています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は5日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.67ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは37.7となりました。PBRは1.20となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高だった分、NY Dowの上昇率ほどは上げませんでした。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.8%(290円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は変わりませんでした。プレミアム値は、ここ1週間は、-340円~-100円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振する動きが続いています。
日・米市場とも短期トレンドは赤信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均も、NY Dowより290円ほど下振れしている形です。円ベースでの日経平均は460円程度の下振れです。今夜の米国市場では重要な経済指標の発表はありませんので個別の材料が注目されそうです。下値の目途として、7月の下落率と同じ25日線の7%下方乖離の9520円が視野に入ってきました。しかし、日経平均の弱さの原因である円高に変化はないものの、もう一つの原因である金融株の弱さには改善が見られます。この傾向が続けば米国市場からの下振れの改善に繋がるものと思われます。さらに、テクニカルに売られ過ぎを示す指標が増えてきましたので、目先は急速な下げに対する自律反発の地合いも続きそうです。


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