日経平均の予想: <20090709>日経平均の今後の見通し

Thursday, July 09, 2009

<20090709>日経平均の今後の見通し

[市況]
8日のNY DowとNASDAQは上昇しましたが、9日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付き、前場に20円安まで下げ渋る場面もありましたが、その後は軟調な展開となり、最終的に前日比100円安で終わりました。日経平均は129円安で引け、出来高は20.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1190万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

8日の米国市場では、引終了後に発表を予定している非鉄大手アルコアなど米企業の四半期決算を前に様子見ムードが強まりました。原油の大幅な下落で一段とリスク許容度が下がり、株価指数は軟調に推移しました。ただ国債入札は順調で金利上昇懸念が薄らいだことを背景に自律反発狙いの買いが入り、株価指数は上昇に転じて終了しました。
9日の日本市場では、急速な円高進行を受け、自動車や電機といった輸出関連株を中心に業績悪化を警戒した売りが広がりました。日経平均株価は昨年7月以来の7日続落で安値引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線まで下げ、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-0.1%とマイナス転換し、200日線との乖離率は+4.6%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の中に入りました。1つだけがプラスですので、中期的トレンドは、青信号から黄信号に変化しました。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.5イント下にある状態となり、日本市場は割安幅が拡大しました。
NYDowは200日線、、75日線25日線、9日線の下に在ます。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあり、一目均衡の雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、GDP伸び率が改訂され、現在は日本市場が0.8イント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、新生GMが月内に正式に発足と報道され短期間に収束の兆しが出てきました。6月の雇用統計にはあまり影響がなかったようです。2つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっています。住宅関連指標や他の景気指標はこのところ悪材料に敏感です。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。4-6月決算発表が近づきましたので金融機関の決算に注目する必要があります。米国債の入札は好調で、長期金利が低下しドル安・円高傾向となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は8、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.62ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは39.1となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、急激な円高によりNY Dowが上昇したにも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%(190円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、+150円~+410円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。プレミアムのプラス幅がここ一週間の下限に近づきましたので、NY Dowの動きより上振れする可能性があります。
25日線との乖離率やサイコロジカルラインなど売られ過ぎを示すテクニカル指標が出始め、目安の75日線まで下落しましたので、目先反発余地が出てきました。しかし、米国市場が大きく下落すれば、次の節目は9000円近辺が目安と思われます。


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