日経平均の予想: <20090708>日経平均の今後の見通し

Wednesday, July 08, 2009

<20090708>日経平均の今後の見通し

[市況]
7日のNYDowとNASDAQが下落したことを受けて、8日の日経平均先物は、前日比110円安
で寄り付き、前場に90円安を付けた後は終日軟調な展開となり、最終的に前日比230円安で終わりました。日経平均は227円安で引け、出来高は21.3億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は20万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、売りが有利な状態です。

7日の米国市場では、雇用悪化を背景にした米景気への懸念とリスク許容度低下から、原油の軟調な地合いが続き、エネルギー株が売られ、株価指数を押し下げました。米企業の4-6月決算発表を控え、市場参加者が買い手控え姿勢を強め、さえない相場展開となりました。
8日の日本市場では、米市場の大幅下落や94円台まで進んだ円高、5月の機械受注統計が前月比3.0%減で、3ヶ月連続の減少と悪化したことなどを受けて、個人や投機マネーの見切り売りが出て輸出や金融関連を中心に主力株はほぼ全面安となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日の上に在りますが、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+4.0%とプラス幅が縮小し、200日線との乖離率は+5.9%とプラス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、まだ青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント下にある状態となり、日本市場は割安感がなくなりました。
NYDowは200日線、25日線、9日線の下に在り、75日線を下回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、GDP伸び率が改訂され、現在は日本市場が0.7ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM再生処理」「実体経済の悪化に対する景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、新生GMが月内に正式に発足と報道され短期間に収束の兆しが出てきました。6月の雇用統計にはあまり影響がなかったようです。2つめについては、米国の6月雇用統計では失業率が9.5%に拡大し、減少幅も予想以上となり相場の重しとなっています。住宅関連指標や他の景気指標はこのところ悪材料に敏感です。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。4-6月決算発表が近づきましたので金融機関の決算に注目する必要があります。米国債の入札は好調で、長期金利が低下しドル安円高傾向となっています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は減速の勢いは緩和されたものの、改善の気配を未だ見せておらず、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる不動産価格の下落から、金融機関の不良債権増加懸念を払しょく出来ず、個人消費や企業の投資の為の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は7日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在2.69ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは39.6となりました。PBRは1.2となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落に連動して下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.3%(220円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラス幅が若干拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、+140円~+420円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、9日線、25日線の下に在ります。プレミアムのプラス幅がここ一週間の下限に近付きましたので、中立です。
目安の9510円近辺の節目をあっさり下回ってしまいました。サイコロジカルラインなど目先売られ過ぎを示す指標も一部出てきましたが、目先反発しても、まだズルズル下げる可能性が高そうです。


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