日経平均の予想: [2020/04/13]今後の日経平均の見通し

Monday, April 13, 2020

[2020/04/13]今後の日経平均の見通し

[市況]
410日、NYDowNASDAQは休場でした。413日の日経平均先物は、前日比90円安で寄り付くと、午前中は160円安から40円高の間でもみあい、午後は40円安から330円安と下げ幅を拡げて、結局240円安で取引を終えました。日経平均の終値は455円安の19043円で、出来高は10.56億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

410日の米国は聖金曜日の祝日で、米国市場は休場でした。
413日の日本市場では、国内で新型コロナウイルス感染者数の増加が続いていることから、企業活動や消費の停滞が長期化するとの懸念が強まり、売りが優勢となりました。市場の予想に反して日銀のETF買いがなかったとの観測も重石となりました。日経平均は反落しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は-21.7%と前週末よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-12.9%と前週末よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より2.1ポイント拡大して-9.8となり、中長期的には日本市場が米国市場より1730円ほど割安であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.2ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.10ポイント(日経平均で6830円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には割安です。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.1%増で、改定値の2.1%増と一致しました。1012月期の米企業の決算は、概ね好調でした。

経済指標を見てみます。
3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のISM非製造業景況指数、2月の製造業受注3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は47負で、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待できるという面では強気材料です。

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比701000人減で、減少幅は市場予想の10万人減を大きく上回りました。また、失業率は4.4%で、先月の3.5%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待できるという面では強気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数、2月の住宅着工件数、1月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.1%で、市場予想の+3.2%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRB2019年に予防的利下げを3度おこない、さらに20203月に合計1.5%の緊急利下げをおこない、実質ゼロ金利としました。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「2020年末までに1200億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ1か月は上昇しています。一方、短期金利は低下しており、これは金融システムにとって危険なサインです。直近では、47 1.3198 48 1.3113 49 1.2188と落ち着きつつありますが、これは、FRBによるジャンク債買い取りを含む無制限の金融緩和表明の効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.6PBR0.92となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE7.3%となり、これは3か月前より0.8ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-13.1%で、こちらは3か月前より6.3ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
前週末のNYDowは休場でしたが、きょうの日経平均は下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.8%となり、日経平均の割安幅は540円から710円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-710円から+150円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日米の長期金利の差は、0.73ポイントから0.71ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。日経平均も、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は、ここからは市場予想を下回るものが増えていきそうです。長期金利は下降に転じており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和を再開し、各国政府に財政政策をうながしています。

413日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や原油価格などが影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを520円ほど下回り、下値は想定ラインを40円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在19570円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在18650円近辺)が下値の目安になりそうです。25日線乖離率が前週末の5.3%から3.2%に下がるなど、テクニカル的には底値からのリバウンドに一服感も見られます。日経平均のPBR0.92で、長期的にはまだ買い場と言えそうです。



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