Friday, September 01, 2017

[2017/09/01]今後の日経平均の見通し

[市況]
31日のNYDowNASDAQは上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付くと、午前中は50円高から40円安と下げに転じ、午後は80円安から20円高と上昇に転じましたが、結局は0円高で取引を終えました。日経平均の終値は45円高の19691で、出来高は16.30億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は580万株の売り越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。

31日の米国市場では、インフレ率の上昇率が前年同月比1.4%201512月以来の低さとなったことから、利上げペースが鈍るとの見方が広がり、買いが優勢となりました。NASDAQは史上最高値を更新しました。
01日の日本市場では、為替が円安ぎみに推移していることが安心感につながり、買いが先行しましたが、買い一巡後は利益確定の売りに押されました。米雇用統計の発表を間近に控えていることもあり、午後は様子見姿勢が強まりましたが、結局は買いが優勢となりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は+0.7%とプラスに転換し、200日線との乖離率は+1.7%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。3つの要素のうちプラスは2つであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

NYDowは、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)+6.7ポイントで、中長期的には日本市場が1320円ほど割安となっています(前日比0.7ポイント拡大)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ2.63ポイント(日経平均で11400円程度)割安となっています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ大統領選出の金融市場全体への影響」、「中国の景気後退と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」、「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。

米国の4-6月期のGDP改定値3.0%となり、速報値2.6%増を上回りました。4-6月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標では、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月のミシガン大学消費者信頼感指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、7月の小売売上高、8月のNY連銀製造業景気指数、6月の製造業受注、6月のISM非製造業景況指数、は市場予想を上回り、7月のISM製造業景況指数は予想と一致しましたが、7月の耐久財受注、7月の鉱工業生産は予想を下回りました。92負で景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

7月の雇用統計は就業者数が前月比20.9万人増で、市場予測の18.0万人増を上回り、失業率は先月の4.4%から4.3%に低下しました。景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、7月の新築住宅販売件数、8月の住宅市場指数は予想を上回りましたが、7月の中古住宅販売仮契約指数、7月の中古住宅販売件数、7月の住宅着工件数は予想以下でした。また、6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比で+5.7%で、市場予想の+5.7%に一致しました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようです。先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうですが、ここにきて先進国は大規模な財政出動容認に変わりつつあり、景気回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

このような環境の中、欧米日の金融政策を分析すると、FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持していますが、20174月から800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標設定に加えて20141031日からマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、ETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続し、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化するなどの金融緩和策が継続されています。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利は、0825 1.3177 0829 1.3169 0830 1.3161 となっています。20155月まで過去25ヶ月は低下傾向でしたが、20155月からは上昇傾向で、ここにきて、2010年からのギリシャ財政危機の市場への影響直前の20110503日の0.346%を上回り、ギリシャ財政危機時に最高金利だった201215日の0.5825%を大きく上回っていますので、金融システム危機懸念が再燃してもおかしくない水準が続いています。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、約一年間上昇が続いています。ここ5年の最高金利は20170825日の1.3177%です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.0PBR1.24となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+5.5%で、こちらは3か月前より2.8ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均の割安幅は70円から40円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-110円 から-40円の間で推移しています。
また、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、ファンダメンタル面ではかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.15ポイントから2.14ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。直近の米国の長期金利は低下し、円高圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しています。金融システム不安懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国市場では、目先の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断して、追加利上げが予想されます。対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向が続いています。
一方、欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されています。

01日の米国市場では、8月の米国の雇用統計や、8月のISM製造業景況指数、8月の新車販売台数などが注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインの近辺で、60円ほど下回り、下値も想定ラインの近辺で、70円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が25日線+100(現在19790円近辺)、下値がボリンジャーバンド-1σ+100(現在19550円近辺)と想定されます。



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