日経平均の予想: [2016/01/19]今後の日経平均の見通し

Monday, January 18, 2016

[2016/01/19]今後の日経平均の見通し

[市況]
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日のNYDowNASDAQは休場でした。19日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付き、午前中は110円安から230円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は午前と同じ範囲ながら戻す動きとなり、結局200円高で取引を終わりました。日経平均の終値は92円高の17048円で、出来高は21.73億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は590万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差はマイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。
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日の米国市場は、休場でした。
19日の日本市場では、米国市場は休場ながら買いが先行しました。午前中はマイナス圏となる場面もあったものの上海市場の上昇に連動して買いが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-28.5%でマイナス幅が縮小しました。200日線との乖離率は-12.2%でマイナス幅が縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が0.5ポイント縮小して、中長期的には日本市場が2.5ポイント(日経平均で 430円程度)割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、直近で改定されたOECD2017年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.9ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 1.02イント(日経平均で 2910円程度)割安となっています。日本市場の割安感は日米の金利差拡大と今期予想増益率差拡大に伴い中長期的には、大幅に割安です。
市場は現在、「原油市場とハイ・イールド債市場下落の金融市場への影響」、「中国の景気後退と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」、「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の7-9月期のGDP確報値は+2.0%となり、改定値の+2.1%から下方修正されました。7-9月期の米主要企業の決算は、伸び悩む企業も目立ちます。
経済指標では、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、11月の耐久財受注は市場予想を上回りましたが、11月の製造業受注は予想に一致したものの冴えない内容で、1月のNY連銀製造業景気指数、12月の鉱工業生産指数、12月の小売売上高、12月のISM非製造業景況指数、12月のISM製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数は予想以下でした。38負で景気面では弱気材料です。
12月の雇用統計は就業者数が前月比29.2万人増で、市場予測の20.0万人増を大幅に上回りました。失業率は先月の5.0%から5.0%と変わりませんでした。景気面では強気材料です。
一方、住宅関連では、11月の住宅着工件数は予想を上回りましたが、11月の中古住宅販売仮契約、11月の新築住宅販売件数、11月の中古住宅販売件数、12月の住宅市場指数は予想を下回りました。10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比で+5.5%で、市場予想の+5.4%を上回りました。堅調な伸びが続いています。24負で景気面では弱気材料です。
G202016年に財政赤字半減との目標設定がなされたこともあり、緊縮財政と需要不足から世界景気は新興国を中心に減速しています。また、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利の低下傾向やデフレ圧力が懸念されます。
このような環境の中、欧米日の金融政策を分析すると、FRBは次回利上げ時期を模索中ですECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、さらに国債の買い取りを含む量的緩和に踏み込んでいます。日銀は2%のインフレ目標設定に加えて一昨年1031日にマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、ETFを従来の3倍の3兆円まで買い入れる追加緩和策が継続しています。ただ、日・欧とも手づまり感があります。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0113 0.6220% 0114 0.6211% 0115 0.6196%となっています。一昨年5月まで過去25ヶ月は低下傾向でしたが、一昨年5月からは上昇傾向で、ここ5年の最高金利を直近で更新しています。ここにきて、2010年からのギリシャ財政危機の市場への影響直前の20110503日の0.346%を上回り、ギリシャ財政危機で、ここ5年の最高金利だった201215日の0.5825%を上回ってきましたので、金融システム危機懸念が再燃してもおかしくない水準となってきました。ここ5年の最高金利は20160112 0.6236%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.3で、PBR1.16となっています。4-6月期の決算発表に伴い、予想ROE8.1%で、企業の今期収益力の見通しは3ヶ月前と比べて減速しています。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの休場でしたが上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均は210円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-220円 ~+350円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きに変わりましたが、今日は強い動きが加速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、ファンダメンタルにはかなり割安で、テクニカルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は1.86と拡大し、ドル円は円安方向の動きでした。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が高まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、LIBOR銀行間金利が目先上昇傾向で、ここ5年来の高い数値となっています。これは、最近の資源安に伴う資源国・グレンコアなどの資源会社破綻懸念、ジャンク債下落による関連ファンド破綻懸念、VW問題、中国企業の債務不履行などが先進国の金融システム不安に繋がる可能性があることを示しています。また、上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も急激な変化に注意が必要です。また、中国の不動産価格は下げ止まり感が出てきましたが、引き続き国有企業・中国地方政府を含めた不良債権問題にも注意が必要です。各国の長期金利の低下や原油の低迷など世界景気の減速懸念は払拭されない中、米国市場では、目先の雇用関連以外の経済指標は弱含みながら、米景気は今後も改善すると判断して、12月に利上げが決定されました。一方、欧州市場では景気が低迷しており、ECBが量的緩和の導入やマイナス金利を実施中ですが、手詰まり感が漂っています。このような相場環境の中、19日の米国市場では、1月の住宅市場指数やバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、IBM、ネットフリックスなどの四半期決算が注目されそうです。

今日の日経平均は、想定した範囲内の動きでした。上値は想定ラインにあと60円まで接近しましたが、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド-1σ-200(現在17410円近辺)で、下値が下降中のボリンジャーバンド-2σ-100(現在16750円近辺)の間での動きが想定されます。騰落レシオ60.9%25日線乖離率7.2%など売られ過ぎを示しています。


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