Monday, May 19, 2014

[2014/05/19]今後の日経平均の見通し

[市況]
16日のNYDowNASDAQは上昇しました。19日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き、午前中は30円高から60円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は引けにかけて140円安まで下げ幅を拡げる場面があり、結局100円安で取引を終わりました。日経平均の終値は90円安の14006円で、出来高は17.72億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は780万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です
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日の米国市場では、相場の先行きへの警戒感からマイナス圏で推移する場面もあったものの、4月の住宅着工件数が市場予想を大幅に上回ったことが好感され、上昇に転じる動きとなりました。
19日の日本市場では、前週末の米国市場の上昇を受けて、買いが先行しました。ただ、その後は3月期決算発表が一巡したことで、新規買い材料に乏しく、次第に売りが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-10.2%でマイナス幅は拡大しました。200日線との乖離率は-4.4%でマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線を上回りましたが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在り、9日線を上回りましたが、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅は1.1ポイント拡大して、中長期的には日本市場が6.3ポイント(日経平均で880円程度)割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2015年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 1.20イント(日経平均で2680円程度)割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP速報値は0.1%となり予想の1.2%を大きく下回りました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のNY連銀製造業景気指数、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りましたが5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、3月の製造業受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下でした。
4月の雇用統計は就業者数が前月比28.8万人増で、市場予測の21.8万人増を大きく上回りました。また、失業率は先月の6.7%から6.3%に改善しました。
一方、住宅関連では4月の住宅着工件数、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、4月の鉱工業生産指数、3月の新築住宅販売件数は予想以下でした。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.7%上昇を上回りました。25ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
目先の経済指標は予想を上回るものが増え、住宅関連はやや停滞気味ですが、景気、雇用の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済全体の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であるとの立場を繰り返し表明し、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整するとの立場を継続し、追加緩和にも含みを持たせていますので、ドルは円に対して高くなり易い環境に変化はありません。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0514 0.2253% 0515 0.2258% 0516 0.2286%となっています。過去24ヶ月は低下傾向で、目先はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.5で、PBR1.16となっています。3月期の決算発表に伴い、ROE8.6%となり業績の伸びにブレーキがかっています。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも拘らず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%となり、日経平均は190円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円 ~-60円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが加速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は1.93と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、中期的にウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は落ち着きつつありますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題と不動産バブル崩壊に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は払拭出来ていない中、米国市場の住宅指標は停滞ぎみながら、雇用とその他の経済指標は改善方向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に伴うリスク回避の動きがくすぶる中、米国市場は目先上昇しています。このような相場環境の中、19日の米国市場では重要な経済指標の発表は無さそうですので個別材料が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、下値は想定ラインに90円ほど届きませんでしたが、上値は想定ライン近辺となりました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド-1σ(現在14090円近辺)で、下値が ボリンジャーバンド-2σ(現在13900円近辺)の間での動きが想定されます


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