日経平均の予想: [2014/02/23]今週の日経平均の見通し

Saturday, February 22, 2014

[2014/02/23]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、ゼロ金利政策が長期間続くとの見方が根強かったものの経済指標の悪化で、下落しました。一方、中長期的には、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復期待は続きそうです。
2014年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が0.98ポイント割安となっています。2014年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場は割安と考えられます。割安の要因はS&P500PER15.4で、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.0%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.4程度になる(日経平均が17410円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2014GDP予測値(現在+1.5%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。米国市場は中長期的には黄信号で短期的には青信号が点灯しています。今週は、1月の耐久財受注、住宅関連指標、10-12月期のGDP改定値、2月のシカゴ購買部協会景気指数などが株式相場に影響しそうです。NYDowが一目均衡表の雲の上に出ることができるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は7-9月期の決算発表に伴い前年比+60%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は10-12月期の決算発表に伴い9.4%と伸び率は前四半期に比べて0.4%増加しています。
   日米の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.16%から2.14%と縮小したものの、為替は101円台から102円台と円安方向の動きでした。今週は102円台から103円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2014年の実質GDP伸び率は日本が+1.5%で、米国は+2.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.4ポイント劣ります。
   22週は売り越しで、23週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが③が強気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.3ポイント割安となりました。先週比割安幅が3.7ポイント縮まりました。日本市場は米国市場に比べ中長期的に割安です。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は+0.2%となり先週と比較してプラス転換しました。200日移動平均線乖離率は+2.6%となりプラス転換しました。2つがプラスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、住宅市況の低迷、南欧政府債務問題、資源高、中東の地政学的リスクなどは後退しているものの、金融緩和縮小による新興国市場・通貨の下落と景気後退懸念、中国のシャドーバンキング問題が残っています。ただ、好材料としては、米国経済が回復基調の中でも、12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで継続されるとの目安に拘らず、FRBが超低金利を続ける意向を示したことや、ECBによる金利引き下げ余地、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。日本市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです
目先の状況を分析すると新興国通貨の下落と景気後退懸念は落ち着きつつあり、日米長期金利差はやや縮小したものの、為替は円安方向の動きとなりました。日本市場は米国市場と比較して戻りの鈍さを解消しつつあり、徐々にリスクを取れる環境になってきました。ここからも、200日線の上で推移できることが最低条件です。

先週の日経平均は、戻り歩調で、想定レンジ内の動きとなり、上値・下値とも想定ライン付近となりました。今週の日経平均は、上値が下降中のボリンジャー・バンド+1σ(現在15440円近辺)で、値が25日線-200円(現在14700円近辺)の間での動き想定されます。今週も為替の動きに注目する必要がありそうです。


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