日経平均の予想: [2012/05/13]今週の日経平均の見通し

Saturday, May 12, 2012

[2012/05/13]今週の日経平均の見通し



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場はギリシャ政局の混迷とスペインの金融システムに対する懸念が再燃したことで、下落しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、決算発表の進展に伴い、日本市場が1.17ポイント割安となりました。その要因はS&P500PER14.0で、東証1部平均の今期予想PER13.7との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には日本の2012年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ1.2%分日本が劣る、又は、東証1部平均の今期予想PER16.3程度となることが織り込まれているとも解釈できます。



[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。今週は、ギリシャ政局、5月のNY連銀製造業景気指数、4月の小売売上高、4月の鉱工業生産、4月の景気先行指標総合指数と住宅関連指標が米株式相場に影響しそうですが、NYDowが一目均衡表の雲の下での推移が続くか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の前期予想増益率は1-3月期の決算発表に伴い+22%2桁のプラスとなりました。ROE予想値も4.7%から7.1%へ改善しています。
   日米の長期金利は下降ぎみで、日米の金利差は1.00%から1.00%と変化なく、為替は80円台から79円台と揉み合う動きでした。今週も79円台から80円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.0%で、米国は+2.0%と予想されていますので、この面では日米市場の差はありません。
   51週は売り越しで52週も売り越しだった可能性が高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が弱気材料で②は強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、8.2ポイント割安となりました。先週比3.4ポイント割安幅は拡大しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-12.2%となりマイナス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は-1.1%となり先週と比較してマイナス転換しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期的トレンドには"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。中期的には"黄信号"で短期的には赤信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、新興国の利上、資源高、不動産市場の低迷、などのリスクはやや後退しているものの欧州の政府債務問題、雇用指標の停滞、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2014年後半まで継続する見通しの中、1-3月期の米企業決算は今までのところ、好材料となっている点が挙げられます。日本市場では日銀の追加金融緩和は小さくて遅すぎとの市場評価となっていますが、ここからは、3月期の企業決算の内容と今期予想増益率が注目されます。決算発表が進むにつれて、予想PERが改善し、ファンダメンタル面の日米比較では、割安となっています。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、金融危機懸念は当面収まりつつあるものの、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降傾向から横ばいに変化しており、スペイン財政赤字拡大の影響やギリシャなど欧州諸国の政治情勢と国債金利動向を見極める必要がありそうです。一方、先週の為替は日米金利差があまり変化せず、揉み合う動きとなりました。
先週の日経平均の下値は、想定したようにボリンジャーバンド-2σを挟んだ動きとなりました。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週の日経平均は、下降中のボリンジャーバンド-2σ(現在9000近辺)を挟んだ動き(上値が9100円で、下値が8850円近辺)が想定されます



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