日経平均の予想: [2010/04/11]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, April 11, 2010

[2010/04/11]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、ギリシャ問題で揺れたものの、企業業績や経済指標の好転で堅調な動きが続きました。一方、中長期的には、米国を中心とする先進国の消費や雇用の改善方向は弱く、EU加盟国のソブリンリスク問題や個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が2.2ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の低迷が割高の原因です。日経平均のPERは33.3で、S&P500のPERの14.4と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は先々週に続き、高値もみ合い相場が続きましたが週末に抜け出し年初来高値を更新しました。今週は、先週末の動きが継続して堅調な相場展開続きそうです。
②日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、景気の低迷により今期ROE予想値は4.3%です。
③米国の長期金利の上昇は落ち着き、日米の金利差は2.5%となり、為替は94から93円台の動きでした。今週も、円高ぎみで、94から92円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+1.8%となり、米国は+2.5%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.7ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤3月5週の外人は買い越しでした。4月1週は売り越しだった可能性が高く、今週も小幅売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①が強気材料で③⑤が弱気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.3ポイント割安となり、先週比2.6ポイント割安幅が拡大しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は9.7%となり先週と比較してプラス幅は縮小しました。総合乖離率は+23.8%となりプラス幅が拡大しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は25日線の上に在り、9日線の下に在りますので、短期的には"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは200日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には"青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の米国市場は、週半ばまで高値もみ合いでしたが、ドル円相場はここ1ヶ月で3円幅の円安方向に動いていましたので、反転して円高ぎみの展開となり、日経平均は、米国市場より軟調な推移となりました。今週の米国市場は、1-3月期決算発表、住宅関連指標、消費者信頼感指数などが株価に影響を与えそうですが、米企業は好決算で米国市場は堅調な展開が予想されます。一方、米国長期金利上昇は一過性で終わり、円高ぎみの推移が続きそうですので、日経平均は米国市場よりは軟調な展開となりそうです。その結果、好悪の材料が重なり、日経平均は現水準で揉み合う場面が多そうです。米国市場の堅調な展開が予想されるので、押目は限定的と思われます。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。