日経平均の予想: <20090608>日経平均の今後の見通し

Monday, June 08, 2009

<20090608>日経平均の今後の見通し

[市況]
5日の、NYDowと、NASDAQが上昇したことを受けて、8日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付きました。前場に140円高まで上げ幅を広げましたが、その後は一進一退となり、最終的に70円高で終わりました。日経平均は97円高で引け、寄り付き前の外国人は920万株の買い越しで、出来高は23.2億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態ですがピークアウト感も出てきました。

5日の米国市場は、5月の雇用統計で雇用者数が前月比34万人減と、市場予想の52万人減ほど減少せず、一方、失業率は9.4%と市場予想の9.2%を上回りましたが、全体として米雇用情勢の悪化のペースが緩んでいると受け止められ、買いが先行しました。ただ、高値警戒感などからの売りも出て、総じて方向感に乏しい展開となりました。
8日の日本市場では、米市場の上昇は限定的だったものの、米利上げ観測などから円が98円台まで下落したことを受け、輸出関連や環境関連の一角が物色されました。週末にSQを控え、節目の1万円を意識した売り方の買い戻しなども入りやすくなっているものの、利益確定の売りが上値を抑え、後場は膠着感の強い展開でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+27.5%とプラス幅が拡大し、200日線との乖離率は+6.9%とプラス幅が拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスですので、中期的トレンドは、青信号が点灯しています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.7ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しました。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上にあり、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQも、一目均衡の雲の上に在り、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、改善傾向にはあるものの、現在は日本市場が3.9ポイント割高となっています。
市場は現在、「GM救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMの米連邦破産法11条の適用申請が決まりましたが、市場では波乱なく通過しました。今後のテーマは短期間の再建が可能かどうか、雇用にどの程度影響するかに移ると思われます。2つめについては、米国の雇用は失業率が9.4%に増加したものの、減少幅に改善の兆しが出てきました。一方、住宅関連指標は好悪混在しています。3つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠きましたが、金融機関の不良債権が実質的に減少するがどうかは不透明です。一方、米国政府の負債拡大懸念から長期金利の上昇が新たな悪材料となる可能性が出てきました。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せておらず、輸出や雇用の減少傾向は世界的に続いています。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退していますが、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、金融機関の不良債権を増加させ、損失拡大懸念をもたらし、企業や個人の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は5日は下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在3.46ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、3月決算発表も終盤となり、予想PERは42.0となりました。PBRは1.3となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、大幅円安にも関わらず、米国市場の上昇に連動したものの限定的でした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1.%(110円の割安)となっており、日経平均は、プレミアムがマイナスとなりました。プレミアム値は、ここ1週間、-140円~+150円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。短期的にも中期的にも、青信号が点灯しています。
日米とも短期的にも中期的にも青信号が点灯しています。日経平均は短期上昇トレンドに在ります。プレミアムはマイナスとなりましたので、円安が続けば米国市場よりはやや高く推移することが期待できます。25日線との乖離率が5%を上回り、サイコロジカルラインも75%となり、騰落レイシオが138%となるなど、過熱感が出てきました。出来高は低水準ですので、日経平均は1万円を目指す中、SQも控えていますので、荒っぽい動きが想定されます。


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