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Saturday, May 30, 2015

[2015/05/31]今後の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、年内利上げ観測、上海市場の急落、ギリシャ債務問題懸念が意識されて、週間で下落しました。一方、中長期的には、EUのギリシャ支援問題、原油相場低迷、中東やウクライナの地政学的リスク、FRBの利上げによる信用収縮懸念、中国の景気減速など世界経済減速懸念に引き続き注意が必要です。
2016年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2016年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.26ポイント割安となっています。割高の要因はS&P500PER18.2に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.4との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2016年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.5%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.3程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が21480円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は910円ほど割安です。日本企業の今期業績予想の改善で割安幅が大きく拡大しています。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と円安、
OECDによる日本の2016GDP予測値(現在+1.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、5月のISM製造業景況指数、4月の製造業受注指数、5月の雇用統計などが影響しそうです。NYDow が一目均衡表の雲の上で推移出来るか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は1-3月期の決算発表に伴い前年比+9.3%前後の伸びとなっています。また、ROE予想値は8.6%と伸び率は前四半期に比べて同程度です。
   米国の長期金利は上昇して、日米の金利差は1.80%から1.73%と縮小したものの、為替は121円台から124円台で円安方向の動きでした。今週は122円台から125円台の動きが想定されます。
   OECDGDP予想値が改定され、日米の2016年の実質GDP伸び率は日本が+1.0%で、米国は+3.0%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.0ポイント劣ります。
   53週は買い越しで、54週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち②③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、10.5ポイント(日経平均に勘算すると2160円程度)割高となっています。先週比1.6ポイント拡大しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+26.3%となり先週と比較してプラス幅は拡大しました。200日移動平均線乖離率は+17.2%となりプラス幅が拡大しました。3つの要素がプラスですので中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドは"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると欧州の景気後退とデフレ懸念、原油相場の低迷、住宅市況の低迷、米国の景気減速懸念などは後退しているものの、ギリシャEU離脱懸念、米国の早期利上げや中国の景気減速に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。中国の不動産価格下落とシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては米国の景気拡大、日銀による2%のインフレターゲットの設定と追加金融緩和による異次元の金融緩和措置強化、ECBによる政策金利のマイナス金利幅拡大と毎月600億ユーロの国債購入など一段の金融緩和措置、中国など新興国の金利低下傾向が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドで
目先の日本市場の状況を分析すると、米国長期金利は低下して、日米長期金利差は縮小したものの、為替は週間では大きく円安方向の動きとなりました。ここからも、米国市場動向、為替の動きを注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジ内の動きでした。上値は想定ラインにほぼ一致しましたが、下値は想定ラインを460円ほど上回りました。今週の日経平均は、上値が上昇中のボリンジャーバンド+2σ(現在20710円近辺)で、値が25日線(現在19970円近辺)の間での動き想定されます


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Friday, May 29, 2015

[2015/05/29]今後の日経平均の見通し

[市況]
28
日のNYDowNASDAQは下落しました。29日の日経平均先物は、60円安で寄り付き、午前中は60円安から70円高の範囲で上げに転じる動きでした。午後は80円高まで上昇して後引けにかけて20円安まで下落し、結局10円安で取引を終わりました。日経平均の終値は11円高の20563円で、出来高は32.92億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は60万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差はプラス幅が縮小しましたが、個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
28
日の米国市場では、上海総合指数が6%超も急落したことや、ギリシャの債務不安問題に進展がなかったことで、売りが優勢となりました。
29日の日本市場では、米国市場安を受けて売りが先行しましたが、その後は上海市場の落ち着きと為替市場で円安基調が続くなか、企業業績に対する根強い期待を背景に、買いが優勢となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+26.3%でプラス幅は縮小しました。200日線との乖離率は+17.2%でプラス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、1.2ポイント縮小して、中長期的には日本市場が9.7ポイント(日経平均で 1990円程度)割高(強い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2016年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 0.30イント(日経平均で 1030円程度)割安となっています。3月期決算発表に伴い日本市場の割安感が顕著になっています。
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」、「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP速報値は0.2%となり、10-12月期の2.2%から大きく低下しました。1-3月期の米主要企業の決算発表はやや弱さが目立っており、ドル高が企業収益鈍化懸念を生んでいる面があります。
経済指標では、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、4月のISM非製造業景況指数、3月の製造業受注、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のNY連銀製造業景気指数、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM製造業景況指数は予想以下でした。56負で景気面ではやや弱気材料ながら、改善方向で、利上げしやすくなる点で弱気材料です。
4月の雇用統計は就業者数が前月比22.3万人増で、市場予測の22.8万人増をやや下回りましたが、失業率は先月の5.5%から5.4%と改善しました。景気面では強気材料ながら、利上げしやすくなる点では弱気材料です。
一方、住宅関連では、4月の中古住宅販売仮契約、4月の新築住宅販売件数、4月の住宅着工件数は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅市場指数は予想以下でした。3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比で+5.0%で、市場予想の+4.7%を上回りました。2ヶ月連続の伸びとなりました。42負で強気材料ですが、利上げしやすくなる点で弱気材料です。
目先の経済指標は弱さも目立っていましたが季節要因もあったようです。ただ、EUのデフレ懸念はまだ残っており、中国の景気減速と世界経済全体の成長鈍化懸念も残っています。
ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字国の国債金利は低い水準となり、金融システム不安再燃への懸念は無くなっています。ただ、G20での2016年に財政赤字半減との目標設定がなされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。また、ギリシャ問題の再燃も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針ですが、利上げ時期を模索中ですECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、さらに国債の買い取りを含む量的緩和に踏み込みました。日銀は2%のインフレ目標設定に加えて昨年1031日にマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、ETFを従来の3倍の3兆円まで買い入れるとの追加緩和に踏み切りましたので、ドルは円に対して高くなり易い環境が続いています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、522 0.2845% 526 0.2858% 527 0.2835%となっています。昨年5月まで過去25ヶ月は低下傾向でしたが、昨年5月からは上昇傾向で、ここ1年の最高金利を直近で更新しています。ただ、2010年からのギリシャ財政危機の市場への影響直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ4年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.6PBR1.42となっています。1-3月期の決算発表の進展に伴い、予想ROE8.6%で、企業の今期収益力の見通しは3ヶ月前と比べて同程度です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は40円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-70円 ~+230円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きに変わりましたが、今日は強い動きに戻りました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、ファンダメンタルにはかなり割安で、テクニカルには、かなり割高です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は1.74と拡大し、ドル円は円安方向の動きでした。直近の米国の長期金利は低下して、円高圧力が強まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、欧州経済の低迷、ギリシャのディフォルト懸念とEU離脱問題、原油相場の下落、中東やウクライナ情勢、米金融緩和縮小は新興国経済にどの程度影響するか、日本の経済の2%成長できるのか、中国の不動産バブル崩壊はあるのか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?など世界全体の景気後退懸念が、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は目先上昇傾向ですが、まだ低水準で推移しています。これは、最近のギリシャ問題、原油の下落や地政学リスクの高まりは先進国の金融不安には繋がっていないことを示しています。ただ、じわじわと上昇を続けていますので、警戒は必要です。また、上海銀行間取引金利も目先上昇傾向は一服していますが急激な変化に注意が必要です。また、中国の不動産価格は下落傾向で、引き続きシャドーバンキング問題など不良債権問題にも注意が必要です。各国の長期金利の低下や原油の低迷など世界景気の減速懸念は払拭されない中、米国市場では、目先の経済指標は弱さも目立ちますが、FRBが最も重視している雇用は改善傾向との基本認識は崩れていませんので、FRBは米景気を改善傾向と判断して、量的緩和を終了させて、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの利上げ時期を模索しています。一方、欧州市場では景気が低迷しており、ECBがマイナス金利幅拡大し、さらに、国債購入を含む一段の金融緩和に踏み切りました。このところ景気は改善傾向が見えてきた面があり、金利上昇から、目先ユーロ高傾向となっています。このような相場環境の中、29日の米国市場では、1-3月期のGDP改定値、5月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。

今日の日経平均は、想定した範囲内の動きでした。上値は想定ラインに後70円まで接近しましたが、下値は想定ラインを170円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在20710円近辺)で、下値がボリンジャーバンド+1σ(現在20340円近辺)の間での動きが想定されます


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Thursday, May 28, 2015

[2015/05/28]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは上昇しました。28日の日経平均先物は、130円高で寄り付き、午前中は90円高から170円高の範囲で上げ幅を拡げる動きでした。午後は190円高まで上げ幅を拡げた後10円安まで売られ、結局90円高で取引を終わりました。日経平均の終値は78円高の20551円で、出来高は31.19億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は80万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差はプラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
27
日の米国市場では、一部報道でギリシャの債務問題を巡り、合意文書の作成に着手したと伝わったことで、欧州市場が上昇したことを好感して、買い優勢となりました。ただ、為替市場でドル高が進んだことに警戒感があり、上値は限定的でした。
28日の日本市場では、米国市場高と円安・ドル高を受けて買いが先行しました。その後も午後にかけて上昇が続きましたが、中国市場安をきっかけに利益確定売りが優勢となりました。ただ、27年ぶりの10連騰で取引を終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+26.7%でプラス幅は拡大しました。200日線との乖離率は+17.3%でプラス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線を上回りましたが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、1.2ポイント縮小して、中長期的には日本市場が9.7ポイント(日経平均で 1990円程度)割高(強い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2016年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 0.33イント(日経平均で 1170円程度)割安となっています。3月期決算発表に伴い日本市場の割安感が顕著になっています。
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」、「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP速報値は0.2%となり、10-12月期の2.2%から大きく低下しました。1-3月期の米主要企業の決算発表はやや弱さが目立っており、ドル高が企業収益鈍化懸念を生んでいる面があります。
経済指標では、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月の耐久財受注、4月のISM非製造業景況指数、3月の製造業受注、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りましたが、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のNY連銀製造業景気指数、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM製造業景況指数は予想以下でした。56負で景気面ではやや弱気材料ながら、改善方向で、利上げしやすくなる点で弱気材料です。
4月の雇用統計は就業者数が前月比22.3万人増で、市場予測の22.8万人増をやや下回りましたが、失業率は先月の5.5%から5.4%と改善しました。景気面では強気材料ながら、利上げしやすくなる点では弱気材料です。
一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数、4月の住宅着工件数、3月の中古住宅販売仮契約は予想以上でしたが、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅市場指数は予想以下でした。3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比で+5.0%で、市場予想の+4.7%を上回りました。2ヶ月連続の伸びとなりました。42負で強気材料ですが、利上げしやすくなる点で弱気材料です。
目先の経済指標は弱さも目立っていましたが季節要因もあったようです。ただ、EUのデフレ懸念はまだ残っており、中国の景気減速と世界経済全体の成長鈍化懸念も残っています。
ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字国の国債金利は低い水準となり、金融システム不安再燃への懸念は無くなっています。ただ、G20での2016年に財政赤字半減との目標設定がなされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。また、ギリシャ問題の再燃も懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針ですが、利上げ時期を模索中ですECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、さらに国債の買い取りを含む量的緩和に踏み込みました。日銀は2%のインフレ目標設定に加えて昨年1031日にマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、ETFを従来の3倍の3兆円まで買い入れるとの追加緩和に踏み切りましたので、ドルは円に対して高くなり易い環境が続いています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、521 0.2820% 522 0.2845% 526 0.2858%となっています。昨年5月まで過去25ヶ月は低下傾向でしたが、昨年5月からは上昇傾向で、ここ1年の最高金利を直近で更新しています。ただ、2010年からのギリシャ財政危機の市場への影響直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ4年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.5PBR1.42となっています。1-3月期の決算発表の進展に伴い、予想ROE8.6%で、企業の今期収益力の見通しは3ヶ月前と比べて同程度です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は40円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~+230円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きが続いていましたが、今日は弱い動きに変わりました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、ファンダメンタルにはかなり割安で、テクニカルには、かなり割高です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は1.73と縮小したものの、ドル円は円安方向の動きでした。直近の米国の長期金利は低下して、円高圧力が強まりました。
テクニカルから見て、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、欧州経済の低迷、ギリシャのディフォルト懸念とEU離脱問題、原油相場の下落、中東やウクライナ情勢、米金融緩和縮小は新興国経済にどの程度影響するか、日本の経済の2%成長できるのか、中国の不動産バブル崩壊はあるのか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?など世界全体の景気後退懸念が、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は目先上昇傾向ですが、まだ低水準で推移しています。これは、最近のギリシャ問題、原油の下落や地政学リスクの高まりは先進国の金融不安には繋がっていないことを示しています。ただ、じわじわと上昇を続けていますので、警戒は必要です。また、上海銀行間取引金利も目先上昇傾向は一服していますが急激な変化に注意が必要です。また、中国の不動産価格は下落傾向で、引き続きシャドーバンキング問題など不良債権問題にも注意が必要です。各国の長期金利の低下や原油の低迷など世界景気の減速懸念は払拭されない中、米国市場では、目先の経済指標は弱さも目立ちますが、FRBが最も重視している雇用は改善傾向との基本認識は崩れていませんので、FRBは米景気を改善傾向と判断して、量的緩和を終了させて、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの利上げ時期を模索しています。一方、欧州市場では景気が低迷しており、ECBがマイナス金利幅拡大し、さらに、国債購入を含む一段の金融緩和に踏み切りました。このところ景気は改善傾向が見えてきた面があり、金利上昇から、目先ユーロ高傾向となっています。このような相場環境の中、28日の米国市場では、週間新規失業保険申請件数、4月中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は、ほぼ想定した範囲内の動きでした。上値は想定ライン近辺となりましたが、下値は想定ライン180円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在20640円近辺)で、下値がボリンジャーバンド+1σ(現在20290円近辺)の間での動きが想定されます


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