日経平均の予想: November 2011

Wednesday, November 30, 2011

[2011/12/01]日経平均の今後の見通し

[市況]
30
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比230円高で寄り付き、午前中は250円高から190円高の範囲で上げ幅を縮める動きでした。午後もやや上げ幅を縮める動きとなり、最終的に180円高で取引を終わりました。日経平均は162円高で引け、出来高は20.00億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、410万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
30
日の米国市場は、日米欧の主要6ヶ国の中央銀行がドル資金供給の拡充を発表したことや、11月のADP全米雇用リポートや、シカゴ購買部協会景気指数が市場予想以上に改善したこと、また、中国人民銀行が預金準備率をほぼ3年ぶりに引き下げことなどで、NYDowは急伸しました。

1日の日本市場では、欧米市場の上昇が加速したことで、リスク資産投資への流れが日本株にも波及し、自動車や電機、商社、大手銀行など主力株が買われました。日経平均は上値抵抗として意識されやすい25日移動平均線を上回ったことで、市場では調整局面の終了との見方も出ているようです。


[
テクニカル視点]
日経平均は9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は-9.2%でマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-8.4%でマイナス幅は縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。

NYDow9日線の上に在り、200日線、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線の下に在りますが、9日線の上に在り、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.0ポイント拡大しました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 3.38イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増と速報値の2.5%から下方修正されました。7-9月期の主要企業の決算発表は好決算が勝ったようです。経済指標では、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の景気先行指標総合指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産10月の小売売上高、11月のNY連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者態度指数、9月の個人消費支出、などは市場予想を上回りましたが、10月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のフィラデルフィア連銀指数、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数は予想以下となりました。10月の雇用統計は、雇用者数が8万人増となり、市場予想の95000人増を下回りましたが、失業率は9.0と前月の9.1%から、やや改善しました。一方、住宅関連では10月の中古住宅販売件数、10月の住宅着工件数、11月の住宅市場指数は予想以上となりました。10月の新築住宅販売件数も予想以下ながら2ヶ月連続増加となりました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で0.6%低下しました。市場予想の変わらずより弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。ただ、雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは一服し、景気減速で逆に利下げ方向です。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1128 0.5231% 1129 0.5269% 1130 0.5289%となり上昇は継続しています。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER14.4PBR0.95ROE6.6%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-1.6%となり、日経平均は140円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-160円 ~ +130円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ弱い動きに転換していましたが、今日は弱い動きが加速しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.01に拡大したものの、ドル円は円高ぎみです。日米金利差は米国金利の上昇で拡大傾向となりましたので、この面での円高圧力は緩みそうです。

テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期は上昇トレンドです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は上昇が続いており、主要6ヶ国の中央銀行がドル資金供給の拡充を発表した後も、銀行間の警戒感が後退する気配は見えません。欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いています。今後もLIBOR金利の動きが注目されます。また、米国の経済指標は良いものも見られますが、雇用の回復は鈍く、世界景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような相場環境の中、今夜の米国市場は新規失業保険申請件数、11月のISM製造業景況指数が注目されそうです。

今日の日経平均は大幅上昇し、上値の目安だった25日線が下値のサポートラインとなりました。目先の上値の目安は、ボリンジャーバンド+1σ(現在8810円近辺)で、下値の目安は、今日空けた窓の窓埋めとなる8480円近辺が想定されます。


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[2011/11/30]日経平均の今後の見通し

[市況]
29
日のNYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。30日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付き、午前中は90円安から60円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は120円安と40円安の範囲で上下し、最終的に60円安で取引を終わりました。日経平均は43円安で引け、出来高は17.62億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、100万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
29
日の米国市場は、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数が予想上となり、景気の回復持続に対する期待から出遅れ銘柄を中心に買いが優勢になりました。原油相場の上昇でエネルギー株も買われました。ただ、欧州情勢の不透明感やアメリカン航空が連邦破産法11条を申請したことが相場の重荷になりました。

30日の日本市場では、朝方に伝わったユーロ圏財務相会合の結果は欧州債務問題への懸念を後退させる内容ではないとの見方が多く、手控え気分が強まりました。午後は上海株などアジア市場の軟調さも加わり、日経平均は下げ幅を100円強に広げる場面がありました。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-15.0%でマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-10.3%でマイナス幅は拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。

NYDow200日線、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は変わりませんでした。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 3.33イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増と速報値の2.5%から下方修正されました。7-9月期の主要企業の決算発表は好決算が勝ったようです。経済指標では、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の景気先行指標総合指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産10月の小売売上高、11月のNY連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者態度指数、9月の個人消費支出、などは市場予想を上回りましたが、10月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のフィラデルフィア連銀指数、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下となりました。10月の雇用統計は、雇用者数が8万人増となり、市場予想の95000人増を下回りましたが、失業率は9.0と前月の9.1%から、やや改善しました。一方、住宅関連では10月の中古住宅販売件数、10月の住宅着工件数、11月の住宅市場指数は予想以上となりました。10月の新築住宅販売件数も予想以下ながら2ヶ月連続増加となりました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で0.6%低下しました。市場予想の変わらずより弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。ただ、雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服していますが、逆に景気減速懸念が有ります。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1124 0.5117% 1125 0.5181% 1128 0.5231%となり上昇は継続しています。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER14.1PBR0.93ROE6.6%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、NYDowの上昇のも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-0.1%となり、日経平均は10円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~ +130円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ強い動きに転換していましたが、今日は弱い動きに戻りました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.93に拡大し、ドル円はドル高円安方向です。日米金利差は米国金利の下降で縮小傾向となり、円高圧力となるはずが、逆に円安ぎみとなっています。

テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期はもみ合いです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は上昇が続いており、銀行間の警戒感が後退する気配は見えません。欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いています。今後もLIBOR金利の動きが注目されます。また、米国の経済指標は良いものも見られますが、雇用の回復は鈍く、世界景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場は11月のADP雇用統計、11月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。

今日の日経平均はユーロ圏財務相会合の結果は思ったほどではなく下落しましたが、ボリンジャーバンド-1σが下値のサポートラインとなりました。目先の上値の目安は、25日線(現在8580円近辺)で、下値の目安は、昨日空けた窓の窓埋めとなる8330円近辺が想定されます。


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Tuesday, November 29, 2011

[2011/11/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
28
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。29日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付き、午前中は80円高から40円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は徐々に上げ幅を拡げ、最終的に170円高で取引を終わりました。日経平均は190円高で引け、出来高は15.69億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、460万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
28
日の米国市場は、29日のユーロ圏財務相会合で債務危機の拡大を回避するために欧州金融安定基金の拡充策などが議論されるとの観測が広がったことや、年末商戦が好調なスタートしたことで、大幅に反発しました。

29日の日本市場では、海外市場が大幅高となったことの波及効果や、円高に一服感が鮮明となったことで輸出関連や景気敏感株が買われました。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は-13.9%でマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-9.9%でマイナス幅は縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。

NYDow200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線、25日線の下に在ります、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅1.2ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 3.37イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増と速報値の2.5%から下方修正されました。7-9月期の主要企業の決算発表は好決算が勝ったようです。経済指標では10月の景気先行指標総合指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産10月の小売売上高、11月のNY連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者態度指数、9月の個人消費支出、などは市場予想を上回りましたが、10月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のフィラデルフィア連銀指数、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下となりました。10月の雇用統計は、雇用者数が8万人増となり、市場予想の95000人増を下回りましたが、失業率は9.0と前月の9.1%から、やや改善しました。一方、住宅関連では10月の中古住宅販売件数、10月の住宅着工件数、11月の住宅市場指数は予想以上となりました。10月の新築住宅販売件数も予想以下ながら2ヶ月連続増加となりました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.8%低下しました。市場予想の3.5%低下より弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服していますが、逆に景気減速懸念が有ります。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1124 0.5117% 1125 0.5181% 1128 0.5231%となり上昇は継続しています。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER14.2PBR0.93ROE6.6%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、昨日先行して上げた分、NYDowの上昇率ほどは上昇しませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;+0.6%となり、日経平均は40円の割高で、割高幅が減少しました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~ +130円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ強い動きに転換しましたが、今日は強い動きが減速しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.92に拡大し、ドル円はややドル高円安となりました。日米金利差は米国金利の下降で縮小傾向となり、円高圧力となるはずが、逆に円安ぎみとなっています。

テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期はもみ合いです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は上昇が続いており、銀行間の警戒感が後退する気配は見えません。欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いています。今後もLIBOR金利の動きが注目されます。また、米国の経済指標は良いものも見られますが、雇用の回復は鈍く、世界景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場は9月のS&Pケース・シラー米住宅価格指数、11月のCB消費者信頼感指数が注目されそうです。

今日の日経平均は外部環境の落ち着きで、続伸しました。目先の上値の目安は、25日線(現在8600円近辺)で、下値の目安は、今日空けた窓の窓埋めとなる8330円近辺が想定されます。


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注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。

Monday, November 28, 2011

[2011/11/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
25
日のNYDowNASDAQは下落しました。28日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付き、午前中は80円高から150円高の範囲で値を上げる動きでした。午後は同水準でもみ合う展開となり、最終的に130円高で取引を終わりました。日経平均は127円高で引け、出来高は13.62億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、550万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。
25
日の米国市場は、イタリア2年物国債の落札利回りが通貨ユーロ導入後の最高となったことや、S&Pによるベルギー国債を格下げなど欧州債務問題への警戒感は根強く、取引終了にかけて売りが広がりました。

28日の日本市場では、IMFがイタリア支援を準備しているとの一部報道や、米クリスマス商戦の滑り出しが好調なことを手掛かりに買いが先行しました。ただ、自律反発の買いや売り方の買い戻しなどが中心で、後場も高い水準で推移しましたが、上値の重さが目立ちました。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-20.6%でマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-12.0%でマイナス幅は縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。

NYDow200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.2ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅2.1ポイント縮まりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 3.26イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増と速報値の2.5%から下方修正されました。7-9月期の主要企業の決算発表は好決算が勝ったようです。経済指標では10月の景気先行指標総合指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産10月の小売売上高、11月のNY連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者態度指数、9月の個人消費支出、などは市場予想を上回りましたが、10月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のフィラデルフィア連銀指数、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は予想以下となりました。10月の雇用統計は、雇用者数が8万人増となり、市場予想の95000人増を下回りましたが、失業率は9.0と前月の9.1%から、やや改善しました。一方、住宅関連では10月の中古住宅販売件数、10月の住宅着工件数、11月の住宅市場指数は予想以上となりました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.8%低下しました。市場予想の3.5%低下より弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服していますが、逆に景気減速懸念が有ります。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1123 0.5061% 1124 0.5117% 1125 0.5181%となり上昇は継続しています。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER13.9PBR0.91ROE6.6%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

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今後の見通し]

日経平均は、先週末のNYDowの下落にも関わらず上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;+1.3%となり、日経平均は110円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-160円 ~ +130円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ弱い動きが修正されつつありましたが、今日で強い動きに転換しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.91に拡大し、ドル円はややドル高円安となりました。日米金利差は米国金利の下降で縮小傾向となり、円高圧力となるはずが、逆に円安ぎみとなっています。

テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は上昇が続いており、警戒感が後退する気配は見えません。欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いています。今後もLIBOR金利の動きが注目されます。また、米国の経済指標は良いものも見られますが、雇用の回復は鈍く、世界景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場は10月の新築住宅販売件数が注目されそうです。

今日の日経平均は外部環境の落ち着きで、自律反発しました。目先の上値の目安は、ボリンジャーバンド-1σ(現在8360円近辺)で、下値の目安は、今日空けた窓の窓埋めとなる8200円近辺が想定されます。


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